認知症の予防に大切なのは、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動。誰もがご存じの事実かと思います。そしてこれは認知症に限らず、健康に過ごすためには必須の生活習慣です。

 

しかし意外と盲点なのが「バランスの良い食事」です。実際に「バランスが良い」というのはどのようなことをいうのでしょうか。一般的に言えば主食・主菜・副菜などが揃い、身体活動レベルに合ったカロリー計算のなされた食事で、農林水産省の示す「食事バランスガイド」に沿うものだと考えます。

 

ですが、この忙しい毎日の中で、きちんと時間を確保し、バランスを調整した「理想の食事」をできる方はそう多くないはず。ですから専門的な知識をつけたり、毎日考えたりすることなく、まずは「さまざまな食べ物を摂取する」ということだけ覚えていれば大丈夫。1日30品目という目安がありましたが、その品目を覚える必要はありません。まずは30食材をめざして、いろいろ食べることを実行してみましょう。なぜならいくらバランスの良い食事をしても続けなければ意味がないからです。品目にこだわるあまり続かないのであれば、多少間違っていても、まずは食事のバランスを意識し続けるだけでも、今後数十年という時間が経過したときに結果に差が出てきます。

かつて愛知県内で行われた「さまざまな食材を摂取している人」と「そうでない人」の2グループの10年にわたる追跡調査では、認知機能に差が出たことが報告されています。しかも、「さまざまな食品を摂取している人」は、そうでない人と比較して認知機能低のリスクが4割も低かったのだそう。これはすごい結果ですね。

 

 

そして先ほどとは別の、福岡県内で行われた約1000人の住民を対象に実施された15年間の追跡調査によると、【大豆や大豆製品】【牛乳や乳製品】【緑黄色野菜や淡色野菜】【海藻類】を多めに摂取していた人は、認知症を発症するリスクが低かったそうです。

『日経ヘルス』2020年6月号では認知症専門医による特集が組まれており、国立長寿研究センターの遠藤英俊氏が「増やすといい食品」「減らすといい食品」としてお勧めしている食材が掲載されています。

 

それによると、先ほどの福岡県内での調査の【大豆や大豆製品】【牛乳や乳製品】【緑黄色野菜や淡色野菜】【海藻類】に加え、【果物や果汁のジュース】【魚類】【イモ類】【卵】とのこと。特に緑黄色・淡色野菜、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品の影響が大きいそうです。ちなみに大豆製品は、納豆や豆腐、高野豆腐、厚揚げ、油揚げ、がんもどき、おから、湯葉、豆乳、きなこなどがあります。メインのおかずから副菜、食後のデザート、ドリンクまで、摂取方法はたくさんあります。味噌も大豆製品ですから、「野菜たっぷりお味噌汁」もいいですね。

逆に減らすといい食品として、米や酒が挙げられています。なお遠藤氏による米(ごはん)が悪いのではなく、従来の日本人は米中心のため結果的に他の食材まで食べられないのが問題なんだとか。「野菜や豆をもっと食べられるように、少しごはんの量を減らしましょう」ということですね。となれば、生活習慣病対策も含め、緩やかな糖質制限をしてみてはいかがでしょうか。お茶碗山盛りではなく3/4にしてみる、おかわりはやめるでOK。少しの心掛けで未来は大きく変わってきます。またお酒は個人差があるものの、日本酒1合・ビール中瓶1本が目安で、それ以上を日常的に飲んでいるとリスクが高くなるそうです。飲み過ぎは禁物ですよ。