「アトピヨ」というアプリがあって、これが日本初、アトピー見える化アプリ、だというのです。一言でいえば、自分のアトピー症状の写真をアップロードできるアプリです。2018年に公開され、今年1月には1万ダウンロード、2月には投稿画像が1万2000枚を達成したといいます[1]

 

撮影した写真は匿名でアップロードできるだけでなく、部位ごとに同じ症状のアトピー患者の人たちに相談することができ、悩みを解決することができます。解決というのは、直接的に症状をなくす、ということだけでなく、もっと広い意味での共感ということです。ですから悩みを共有する、といったほうがいいでしょう。これを「ピアサポート効果」というようですが、「アトピヨ」の利用により、ポジティブな感情が2倍に増加している、という調査もあります[2]

実際の治療においても、皮膚科の医師らが「アトピヨ」を評価しています[3]。症状の経過観察の範囲が格段に広がるからです。具体的にいえば、いままでだと診察時の様子や患者の話によってしか推測できなかったものが、「アトピヨ」にアップロードされている写真(自分の経過観察用にも非公開でアップロード可能)を見ることによって、症状の経過が一目瞭然になるわけです。特に、薬を処方する場合、その薬がどのような効果又は副作用を及ぼしているかを観察することによって、いままでよりもより正確できめ細かい診療が可能になるのです。

実はこのアプリ、どこかの会社が開発した、とかではなく、一人のお父さんが、薬剤師の奥様と協力して開発されたものです。ご自身も幼少時にアトピーを患い、さらにぜんそくや鼻炎というアレルギー疾患を経験したことから、ボランティア活動などを行われていたそうです。「アトピヨ」のHPには、次のように書かれています。

 

「2016年の厚労省の資料によれば、幼少期(4ヶ月〜6歳)のアトピー性皮膚炎の発症率は12%前後であり、年齢と共に発症率が低くなる傾向があります。このため、「アトピーっこ」のママやパパを中心により多くの方に、無料でご利用いただきたいと考えています。」[4]

 

つまり、大人のアトピー患者の方で、ご自身でアプリを使う、というシーンだけでなく、お子さんがアトピー患者で、そのお父さん、お母さんが育児の悩みも合わせて、同じ悩みを抱える人たちと共有し、支えあうことができる、ということなのですね。

 

このようなコミュニティはいままでもあったことでしょう。しかし実際に集まったりということになると、地域性は限られる上に、時間の制約、場所の制約があります。また実際に顔を合わせることに抵抗感を持つ方もおられるでしょう。「アトピヨ」のようにアプリになれば、写真をアップロードするだけで悩みを共有できるだけでなく、特に同じ部位の同じ症状で悩んでいる人と相談することもできます。それが皮膚科の医師らからも治療に役立つものとして評価されているのであれば、この日本初のアプリは、アトピー治療の在り方を大きく変えつつある、ということもできるでしょう。

 

[1]

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000035958.html

[2]

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000035958.html

[3]

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000035958.html

[4]

https://www.atopiyo.com/