前回のコラムでは、認知症の発症リスクを下げる食事についてお伝えしました。大豆・大豆製品、牛乳・乳製品、緑黄色野菜・淡色野菜、海藻類を中心になるべくたくさんの品目を摂取することが、「認知症対策になるバランスのいい食事」を実現する近道です。

この認知症にならない食事・運動習慣の特集が組まれた『日経ヘルス』2020年6月号では、認知症専門医である遠藤英俊氏(国立長寿医療研究センター)が注目する、2つの食品成分が紹介されています。一つはクルクミン、もう一つはノビレチンです。

クルクミンはポリフェノールの一種で、二日酔い対策素材として知られるウコン(=ターメリック)の主要機能性成分です。抗酸化作用や抗炎症作用を持つクルクミンは、認知症の原因の一つとされるアミロイドβの蓄積を防止する力があり、そのほかさまざまな研究から、認知症予防効果について「かなり期待できる」成分だといいます。

手軽にクルクミンを摂取するにはカレーがおすすめです。各ご家庭によりカレーの具材はさまざまですが、緑黄色野菜や淡色野菜、大豆を入れれば認知症対策カレーの完成です。一時期、そのスパイスが目覚めたばかりの脳を活性化させるとして「朝カレー」が流行しましたが、認知症予防にもなると聞けば「朝からカレー」も取り入れてみたいですね。

もう一つのノビレチンは、柑橘類に多く含まれる神経細胞を活性化するフラボノイド。こちらも抗酸化作用、抗炎症作用があることに加え、抗糖化作用も。1万人を超える日本人を対象にした研究では、柑橘類摂取が週2回以下の人に比べ、週3~4回の人は8%、ほぼ毎日の人は14%、認知症リスクが低下するそう。このほかにも認知症など神経変性疾患への予防・改善効果が多くの論文で報告されています。

 

そしてクルクミンと同じくアミロイドβの蓄積を抑制することも明らかになっています。また脳の神経細胞が活性化し記憶によい影響を及ぼすそう。柑橘類のなかでもシークワーサーにはたくさん入っており、温州ミカンと比較しても10~20倍とも。アルコールやジュースを飲むときは、シークワーサーの入ったものにしてみるといいかもしれませんね。沖縄のイメージが強く、あまり食卓に上がるイメージのないシークワーサーですが、ドレッシングやジャム、スイーツなどレシピも豊富です。

 

今回は認知症予防に期待される食品成分、クルクミンとノビレチンをご紹介しました。「今日のランチは何にしよう?」と迷ったらカレー、飲みに行ったらシークワーサーサワーというのもいいですね。おいしく食べて認知症を予防しましょう!