昨日5月31日は世界禁煙デーでした。第一回世界禁煙デーは1988年4月7日、世界保健デーと同じ日に行われました。いずれもWHO(国際保健機関)が定めたものです。ですから世界禁煙デーは初めから独立した日ではなく、もともとは世界保健デーの一環という感じだったといえます。これが独立した日になるのは翌1989年の第二回世界禁煙デーからで、この時から5月31日となりました。今日は肌、アトピーと喫煙の関係について考えてみましょう。

まずはじめに、「スモーカーズフェイス(Smoker’s Face」というのをご存知でしょうか? 文字通り、喫煙者の顔、ということですが、喫煙者には非喫煙者よりも若いうちからシワなどの老化現象がみられる、というものです。1996年6月19日付のニューヨークタイムズ紙の記事を見てみると、英国のダグラス・モデル医師が1985年、116名の患者を観察した結果、喫煙者には顔が老けて見える特徴(シワなど)が見られるとして、医学用語として使いはじめたのが最初のようです[1]

これは一般的に、喫煙が肌に悪い影響を与える、ということですが、ここからは具体的にアトピーとの関係を示すものとして、2016年に発表された学術研究の結果を見てみます。まず、2016年8月16日、米国皮膚科学会誌「Journal of the American Academy of Dermatology」に掲載されたノースウェスタン大学の研究では、喫煙者は能動か受動かを問わず、アトピーの有病率が高い、としています[2]

同研究結果では、自分で喫煙を行っている能動喫煙者における有病率は、非喫煙者の1.87倍、受動喫煙者における有病率は、受動喫煙のない人に比べて1.18倍になったということです。ただし、妊婦の喫煙と生まれてきた子供の有病率には有意な関係性が見られない、としています。

 

この妊婦の喫煙と子供のアトピーとの関係に新しい見解を示したのが、同じく2016年に発表された愛媛大学による研究です。この研究は同年10月28日に学術誌「Nicotine & Tobacco Research」に掲載されたものです。その中で、

 

喫煙曝露が全く無い場合に比較して、妊娠中の母親の喫煙のみあった場合、医師診断によるアトピー性皮膚炎のリスクを有意に高めていました。[3]

 

と指摘しており、妊婦の喫煙と子供のアトピーとの関係について、新しい見解を示すものとなりました。

 

そもそもアトピー自体の発症メカニズムについて最終的なこと、確定的なことが言われていない以上、その喫煙との関連性を云々することにも不確実性がつきまとうのですが、世界禁煙デーを機に、自分の習慣を反省してみるのもいいかもしれません。

 

[1]

https://archive.nytimes.com/www.nytimes.com/specials/women/warchive/960619_1213.html

[2]

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27542586/

[3]

https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/11/161114_2.pdf