健康関連キーワードとしては、かなり認知度の高い「抗酸化」。活性酸素によって体が錆びることを阻止するのが「抗酸化」です。抗酸化物質は苦味や色素の成分であり、ほとんどの植物に存在するポリフェノールが有名ですね。

ポリフェノールは自然界に5000種類以上存在すると言われていますが、今回は主に緑茶に含まれる「エピカテキン」について調べてみました。カテキンと言えば多くの人が一度は聞いたことのある成分だと思いますが、以前当コラムでお伝えしたように、抗ウイルス・抗菌作用が特徴のポリフェノールです。新型コロナウイルス禍において改めて注目されていますね。

カテキンを日常的に摂取しやすいのが「緑茶」です。緑茶を例に見ていきましょう。

公益財団法人長寿科学振興財団「長寿健康ネット」によると、カテキンには①エピカテキン、②エピガロカテキン、③エピカテキンガレート、④エピガロカテキンガレートなど4種類のカテキンが含まれているそう。緑茶抽出液のカテキンの割合は④エピガロカテキンガレートが50~60%と一番多く、②エピガロカテキンが20%程度、③エピカテキンガレートが約14%、①エピカテキンが6~7%とのことです。

 

②~④の3種類は茶カテキンですが、①のエピカテキンは、お茶以外にもリンゴ、ブラックベリー、梨、さくらんぼ、ブドウのほかチョコレートやソラマメなどのポリフェノールにも含まれています。

4月17日のコラム(ポリフェノールの力とは https://sanoh-corp.jp/post-951/)でお伝えしたとおり、茶カテキンは抗酸化作用はもちろん、抗ウイルス作用が特に最近注目を集めています。しかしカテキンの力はこれだけではありません。この他にも、活性酸素除去作用(抗酸化作用)や細胞増殖抑制による抗がん作用もあるんです。

2018年には、埼玉大学大学院理工学研究科の菅沼雅美教授の研究グループが、緑茶カテキンにより免疫チェックポイント分子PD-L1の発現が減少し、肺がんの増殖が抑制されることを発見したと発表しています。前回のコラムでは、「PD-1」という分子が免疫力を抑制するとお伝えしましたが、「PD-L1」も同じく免疫抑制性因子です。今後、オプジーボのような「夢の治療薬」の一つとして、安価かつ副作用リスクの少ない茶カテキンを含むがん治療薬が生まれるかもしれませんね。

これだけでもかなり有用な素材ですが、他にもコレステロール低下作用、血糖上昇抑制など、生活習慣病予防にもおすすめです。また抗菌・殺菌作用があることも有名ですよね。食中毒対策や胃がん・胃潰瘍の原因となるピロリ菌の増殖抑制などもあります。菌の繁殖を防ぐということは、菌の繁殖が影響する虫歯や口臭も防止してくれます。

エピカテキンはさまざまな食品に含まれていますが、毎日エピカテキン含有食材を用意・摂取するのは難しいですよね。しかし緑茶であれば毎日続けやすいのがメリット。いつも飲む甘いジュースを、たまに緑茶に置き換えれば糖質制限にもなりますし、カテキンの肥満防止作用にあやかってダイエットが成功するかもしれません。

ただし、厚生労働省の統合医療情報発信サイト『ejim』で「高濃度の緑茶抽出物を摂取している人において、肝障害が報告」されているとしています。が、一方で「緑茶の浸出液や緑茶飲料とは関係ないとみられ」るとも。緑茶の適量摂取は問題ないとしても、サプリメントなどでの過剰摂取にはリスクがないとは言えないようです。食事や休憩時に緑茶を飲むことは体に良いものの、「体に良いから」といって常識量を超えた緑茶を飲んだり、サプリメントを大量に摂取したりしてはいけません。もちろん、これはカテキンに限らず、どんな食品や成分も同じです。

 

緑茶は日本中どこでも手に入る、もっとも身近な健康食材の一つです。新しい生活様式に「緑茶タイム」も入れてみましょう。