皆さんは「ヒト幹細胞培養液」をご存じですか? 再生医療技術を応用して生まれたもので、化粧品原料として人気の素材です。感度の高い女性なら、すでにヒト幹細胞培養液が配合された化粧品を使ったことがあるのではないでしょうか。

はじめに、幹細胞とはどのようなものでしょうか。広辞苑によると幹細胞とは自己複製能力と多種の細胞に分化する能力を併せ持つ細胞。なにやらとてつもない生命力を感じますが、それもそのはず、造血や表皮組織の再生などに関与するそうです。皮膚が傷つけば皮膚の細胞に変身して修復に一役買う幹細胞は、周辺の細胞への司令官的役割も担っているとか。もともとやけど治療に使われていた技術だったそう。

 

このようにさまざまな細胞に分化する能力を持つ幹細胞ですから、これからなろうとする細胞と同じたんぱく質を分泌することも可能です。その力を使って、培養中の幹細胞にたんぱく質を分泌させた分泌液を、化粧品に応用したものが幹細胞培養液となります。

 

そして「ヒト」とあるのは、その幹細胞がヒト由来だから。ある化粧品原料会社のヒト幹細胞培養液は、ヒトの脂肪細胞から取り出した幹細胞を培養したものだそう。同じヒトから得られた素材ですから人間の肌との相性もばっちり。日本国内では2015年ころから話題になり始めたヒト幹細胞培養液は、今では多くの化粧品会社で採用されています。

 

なお、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「iPS細胞」も、この幹細胞の中の一種。再生医療分野で研究されてきた受精卵を使うES細胞と違い、さまざまな細胞を材料に特定の遺伝子を導入することで受精卵に近い状態にし、さまざまな細胞を作製できるにするのがiPS細胞なのだそうです。

さて話はヒト幹細胞培養液に戻ります。細胞の修復を行い周辺細胞へ指令も出す幹細胞をイメージすれば、おのずと「美肌」という言葉が浮かんできます。真皮幹細胞や線維芽細胞、表皮幹細胞に直接働きかけ、細胞の活性化、新細胞の量産化が進行するだけでなく、細胞外たんぱく質であるコラーゲンやエラスチンなども含むことから、肌組織の生まれ変わりを強く促進してくれます。このことから、ヒト幹細胞培養液は究極の「アンチエイジング」素材として話題になっているのです。

 

こうした効果があるのなら、敏感肌やアトピーに悩む人にも使えるのでは?と思うのは当然のこと。実際にインターネット上では、使用前後の画像などを表示してその効果に言及しているものも少なくありません。医師でも研究者でもない身では効果に関してお伝えできることはありませんが、ヒト幹細胞培養液を配合した全身に使えるボディーローションも販売されています。

 

再生医療を応用した素材「ヒト幹細胞培養液」によるスキンケア。各社からさまざまな製品が販売されているので、気になる方はぜひ試してみてください。