7月最終日です。本来であればすでに夏休み中の小中学生が、この蒸し暑い中、マスクをして登校しています。都内の多くの区立小中学校の夏休みは、8月1日または8日からなんだそう。最長で31日間の区もありますが、一部は16日間しか休みがないとのこと。緊急事態なので仕方がないものの、なんだか味気ないですね。

さて、夏本番のここからは、より一層の熱中症対策が必要です。特に今年は「夏でもマスク」という今までにない危険な状態。屋外で2メートル以上の距離が取れる場合はマスクを外し、こまめな水分呼吸を心がけましょう。室内でマスク必須の場合も、暑くなったら無理をせず十分に換気ができる場所で一時的にマスク外したり、冷房温度を下げたりと調節してください。その際は、ウイルス対策に必要不可欠とされ、天然のマスクともいわれる「鼻呼吸」が重要。鼻呼吸ならツバなどが飛ぶ危険がないので、マナー的にもベストです。

特に新型コロナウイルスへの罹患リスクが高いとされる基礎疾患を持っている方は、予防対策に力を入れていることでしょう。ところが糖尿病患者は熱中症になりやすいという報告が…。なぜなのでしょうか。

本来であれば十分な量が分泌され、正常に働いてくれるはずのインスリン。しかし糖尿病になるとそうはいかず、血液中のブドウ糖濃度が高くなる高血糖状態となります。正常な濃度のブドウ糖であれば尿とともに排出されることはないのですが、血中のブドウ糖があまりに多くなると、多量の水分とブドウ糖が尿となって排出されてしまうのです。

そして糖尿病の治療薬にはSGLT2阻害薬というものもあります。これは尿糖の排出を増やすことによって血糖を下げるため、同様に体内の水分が失われてしまいます。そして、体内の水分量が低下し脱水状態となると、発汗による体温調節機能が働かなくなり、熱中症となってしまうのです。熱中症予防の基本は、脱水症対策。意識して水分補給をしなければなりません。

 

さらに糖尿病の人は、神経障害が進んでいることもあります。例えば足の感覚が鈍感になることから、靴擦れなどの外傷を放置したり、水虫などに感染したりするなどして、治療が不十分であると重症化します。最終的に重篤な細菌感染が起こり、足の壊疽に陥り切断せざるを得なくなってしまうのです。

このような神経障害の一つには、発汗障害もあります。皮膚の血流障害も、熱中症の自覚を妨げます。糖尿病の人は熱中症のリスクが高いため、手遅れにならないよう先手を打っていかねばなりません。

その際、摂取する水分は「ミネラルを含んだもの」が推奨されます。もちろんこれは正しいこと。しかしその選択肢の中には、スポーツドリンクが存在します。スポーツドリンクは糖分が入っているものが多く、美味しく飲みやすいですが、糖尿病の人であれば血糖コントロールに影響を及ぼすことも。高血糖の状態が脱水症状を引き起こすことから、医師と相談の上、糖分の入っていないものや麦茶を選ぶようにしましょう。

 

このほか、運動するなら朝または夕方の涼しい時間帯に行う、吸汗速乾性に優れた服を着るなど、できる対策はたくさんあります。また今からの時期からだと少し遅いかもしれませんが、「暑さに慣れる」ことも重要なことです。本来は5月頃からゆっくりと暑さに慣れていくことが重要です。少し汗ばむ程度の季節から運動量をわずかでも増やすなどして、夏本番を迎えます。

 

現時点で暑さに慣れていなければ、急に外出して何かしようとするのは危険です。例えば猛暑の中、お墓参りに行く予定があるのなら、その数日前から安全に配慮しつつ徐々に運動量を増やします。暑さに慣れ、お墓参り中の熱中症リスクをなるべく下げておきましょう。

 

年々暑くなる日本の夏。糖尿病の方はもちろん、健康診断などで予備軍入りを指摘されている方も注意してくださいね。また、「自分は健康だ」と思っている方も、熱中症対策はお忘れなく! コロナ対策のために熱中症で命を落としては、なんの意味もないのです。

 

[参考]

https://dm-net.co.jp/

脱水症予防が熱中症予防につながる