いよいよ8月も終わりに近づいてきました。今年1月末頃から始まった新型コロナウイルス禍は、もう半年以上もの間、継続していることになります。基礎疾患のある方はリスクが高いとされることから、特に高齢の方は外出を控えるなど注意をされているかと思います。

そこで心配なのが高齢者の体調管理です。外出頻度が減り、趣味のスポーツなどもできなくなれば、歩行時間をはじめ日々の運動量が極端に少なくなってしまいます。未知なるウイルスへの恐怖から通院を控える人も増えましたし、医療機関の疲弊をテレビなどで見て「私は大丈夫だから病院に行くのはやめよう」という人もいるそうです。

こうした生活を送っていれば、基礎疾患のある方は食事も運動もままならず、体調コントロールが難しくなってしまうことが予想されます。医療機関への受診が必須であるにもかかわらず、医師にかからないことは命を危険にさらすことにもなりかねません。

そしてそれだけではありません。友人知人に会う機会も減り、かわいい孫も帰省自粛で会えません。高齢者に限りませんが、見えない恐怖と孤独な戦いをしているうちに、うつ状態に陥ってしまう人も多いでしょう。自粛生活を送ることは社会の要請であったものの、これでは脳への刺激が足りず、認知症のリスクも高まってしまうのです。

 

認知症対策として挙げられるのが「食事」「運動」「社会活動」です。終わりの見えないコロナ禍では「社会活動」はしばらく難しい可能性があります。しかし「食事」と「運動」は今日からでも改善できることなので、まだまだ大丈夫!と思っている方も、生活を見直しつつ認知症予防に努めましょう。

もちろん現在はこの暑さですから、無理に外出する必要はありません。しかし、多くの人は数日に1回は買い出しに行くでしょう。いつもは買わない食材を買い込んで、たっぷりある時間を有効活用して新しい料理を作ってみるのも手。以前、コラムでも取り上げたとおり体と頭を同時に使うと脳が活性化し、認知症予防になります。

あるいは椅子に座ってお茶を飲みながら、足踏みしてみましょう。5ステップごとに1回手を叩く、20ステップごとにお茶をひと口…など、体と頭を同時に使う動作はいくらでも生み出せます。認知症予防に最適なカラオケも、現状では高齢者の方にはリスクが高いエンターテインメントかもしれません。しかし自宅なら大丈夫。歌番組が始まったら、一緒に口ずさみながらステップを踏んだり、手踊りをしてみてはいかがでしょうか。

かつて日本の65歳以上を対象とした大規模疫学調査で、人との交流や外出が減ることで、要介護のリスクや認知症発症リスクが高まることが明らかとなっています。しかもこうした状態が続いた「3年間」で要支援以上の介護認定を受けやすいとのこと。急激に症状が現れる人だけでなく、徐々に状態が悪化していくということもあります。そのため「今は何ともないから」と油断せず、しっかり体と頭を動かして、規則正しい生活を送ることが大切なのです。

 

コロナ罹患から逃れられても、コロナ禍で脳が衰えてしまっては大変です。認知症予防は日々の積み重ねが肝心ですから、毎日少しずつでも継続できる取り組みを作りましょう。