皆さんは「オーソモレキュラー医学」をご存じですか? オーソモレキュラー医学とは、主に欧米を中心に発展してきた栄養療法です。ただし栄養療法といっても、食生活を整えるといったレベルではなく「治療レベル」であることがポイント。正しい食事からの栄養摂取はもちろん、人それぞれ必要量や質の異なるビタミンやミネラルなどの栄養素を、医師の指導のもと高濃度のサプリメント・点滴などで補うのがオーソモレキュラー療法なのです。1968年にカナダで生まれ、国内では2002年に「日本オーソモレキュラー医学会」が設立されました。がんや生活習慣病のほかにも、うつ病や発達障害、統合失調症などの治療にも用いられています。

オーソモレキュラーとは実に不思議な響きですよね。日本オーソモレキュラー医学会によると、ギリシャ語で「オーソ(正しい)」と「モレキュラー(分子)」を組み合わせた単語といい、1960年代から使用され始めたそう。言葉通り「分子レベルで最適な量の栄養素を投与して、病気の治療・予防する医学」を意味し、日本語では分子栄養医学、分子整合医学、分子矯正医学とも呼ばれます。この言葉の生みの親は、ノーベル賞を2回受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士で、アメリカ・カナダを中心に広がっていったそうです。

代表的なオーソモレキュラー医学による治療や予防だと、ビタミン・ミネラルの補給によるものが挙げられます。例えば、ガンであれば「ビタミンC/アルファリポ酸/サルベストロール」、認知症であれば「アルファリノレン酸/ビタミンC/コリン」、パーキンソン病であれば「グルタチオン」など、疾患と関連する栄養素をサプリメントや点滴で補給していきます。

また正しく最大限に栄養素を吸収するためには、腸内環境が整っている必要があります。そのため乳酸菌のサプリメントなどを摂取し、効率的な栄養補給を目指します。加えて体に悪影響を及ぼすものの、どうしても避けきれない魚に含まれる水銀や植物の農薬などのデトックス/キレーション療法も。糖質制限なども取り入れながら、その人に合ったものを医師が提案してくれます。

「栄養療法」「オーソモレキュラー」などで検索をかけると、導入しているクリニック等医療機関がたくさん出てきます。例えば日本初のオーソモレキュラー療法専門クリニックである「新宿溝口クリニック」のホームページを見てみると、はじめに全身の栄養状態を確認するため、60項目以上の値がわかる血液検査を実施。「その結果を分子整合栄養医学的に解析」することで、その人にとって不足している栄養素や、体の代謝の状況を分析し、サプリメント等が処方されるそう。同じ「糖尿病」であっても、人それぞれ状況も生活習慣も違うことから同じ結果にはならず、処方されるサプリメントの内容・量・質が異なるとのこと。この検査は定期的に行われ、データの変動とともに治療内容も変わっていきます。

10月には「日本オーソモレキュラー医学会第2回総会」が開催される予定です。残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響でWEB開催となっていますが、前向きに考えれば世界中どこからでも学会に参加することができるので便利ですね。気になる方はぜひ日本オーソモレキュラー医学会のホームページをのぞいてみてください。インタビューやコラムなどさまざまなコンテンツが充実していて、とても参考になりますよ。

 

 

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