存在は知りながらも、なかなか観る時間が取れず気になっていた映画「あまくない砂糖の話」。かつて世間を騒がせた、ファーストフードを食べ続けるドキュメンタリー「スーパーサイズミー」の“砂糖版”で、2016年に公開されたものです。最近「amazon prime video」で観られると聞き、さっそく視聴しました。

 

作品の主人公であり監督のデイモン・ガモー氏は、愛する女性の気を惹くために彼女の食生活に合わせ、タバコや砂糖を断った経験のある健康な男性。妻となった女性が妊娠したことから、生まれてくる子どものためにも、「砂糖の真実を知りたい」と自らの肉体で実験することを決意します。

彼らの母国であるオーストラリアの、1人1日の砂糖平均摂取量はティースプーン40杯。平均的な4人家族だと、1㎏×6袋の砂糖をなんと1週間程度で食べつくしてしまうそうです。彼の決意した実験は、その1日平均摂取量のティースプーン40杯(1杯4g換算/計160g)を毎日、60日間摂取して体に起こる変化を見るというもの。事前検査では同年代よりも健康体であると診断されたガモー氏ですが、2ヶ月後、どうなってしまうのでしょうか。

この実験を始めた初日から、驚くべきことが判明します。それはオーストラリア人の平均的な食事をすれば、朝食だけで早くも20杯もの砂糖を口にできてしまうのです。しかしその中にいわゆる「お菓子」は含まれていません。朝食の定番であるシリアルやヨーグルト、アップルジュースなどだけで、あっという間に砂糖漬けになれるのです。恐ろしい…。

 

もちろん運動不足にならないように、毎日のランニングと筋力トレーニングは欠かしません。が、すぐに体重は増加し、肝臓には脂肪が蓄積されていきます。ガモー氏はみるみる不健康そうな容姿に変わり、砂糖を食べる→体調が良くなる→すぐに体がだるくなるという中毒のループに突入。精神的にも不安定な様子です。そんな状況下でも、肥満大国アメリカに飛び、専門家らのインタビューも敢行します。

 

この映画では糖の種類や働き、糖と脂質の関係、糖と疾患の関連性などをとてもわかりやすい映像で解説しているほか、甘いジュースを飲み続けて歯をすべて失った少年のインタビュー、もともと糖の摂取が極めて少なかったオーストラリアの先住民・アボリジニの人たちが砂糖漬けにされてしまった歴史などにも迫ります。この映画を観たあとは、砂糖の入った食べ物を口に入れることが怖くなるかもしれません。しかし、日々の食事を改めて見直す機会になるのでおすすめですよ。

 

一番印象的だったのは、糖の過剰摂取が起こる理由の場面。リンゴ1個だと約4杯換算の砂糖となりますが、リンゴを丸かじりすれば満腹になるため、なんの問題もありません。しかしジュースにすると、コップ一杯分を作るのになんと4つのリンゴが必要なのです。飲物は噛むこともないため満足感も低く、ゴクゴクとすぐに体内に消えていきます。そして4つのリンゴなら砂糖約16杯。形を変えることで、本来は体にいい食材も、一気に体に悪い食材になり得るのです。

 

まだまだお伝えしたいことはありますが、これ以上はぜひ映画でご確認ください。ドキュメンタリー映画「あまくない砂糖の話」は現代人必見です。なお、ガモー氏は栄養士や臨床病理医らを含む専門家チームの指導のもと実験を行っています。皆さんマネしないでくださいね(笑)。