10月1日より「たばこ税」が増税され、1箱あたり50円前後の値上げとなりました。かつてはたばこ値上げごとにコンビニなど小売店にはカートン(10箱)が積まれ、“買いだめ”を推奨していたものですが、最近ではすっかり見かけません。日本たばこ産業株式会社「2018年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の喫煙率は27.8%、女性8.7%。2年前発表の数値のため、現在はさらに減少していると思われますが、昭和40年代には男性の8割が喫煙者だったのを考えれば、想像以上に喫煙者が減っているといっても過言ではないと思います。

今回の値上げ前となる今年4月には改正健増法が全面施行され、屋内は原則禁煙に。海外では屋内禁煙は当たり前のルールとなりつつありますが、一方で路上喫煙ルールを設けているところは多くありません。日本では路上喫煙も厳しい目で見られるほか、区域によっては明確に「禁止」されています。日本は、喫煙者にとって屋内外で厳しい国となっているのです。

たばこの煙は、吸い込むことで体が酸化したり炎症を起こしたり、活性酸素を産生する物質が多く含まれています。この活性酸素がたばこに含まれる「タール」などの発がん性物質と結びついてがん化を促してしまうそう。たばこの健康被害に関しては、日本医師会の禁煙推進Webサイトに詳細が掲載されています。たばこの健康被害は、よく聞く「肺がん」だけではありません。ほぼすべてのがんに関係するのがたばこの怖いところ。例えば男性であれば、喫煙のよるがん罹患、がん死亡リスクとして、肺がん4.8倍、咽頭がん5.5倍、食道がん3.4倍、尿路がん5.4倍……という衝撃的な数値が記載されています。女性であれば閉経前乳がんが3.9倍、子宮頸がん2.3倍とも。肺や喉の周辺だけではなく、全身への影響が大きいのです。

それだけではありません。過剰に産生された活性酸素は細胞を傷害しますから、脳卒中、虚血性心疾患などの循環器疾患のほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病などにも喫煙は大きく関わります。また審美面でも、たばこのヤニによって歯が黄ばむなど悪影響を及ぼします。

そして屋内原則禁煙となったように、たばこには非喫煙者が同様の健康被害を受けてしまう「受動喫煙」に対しての問題もあります。「臭い」「煙い」で済むのならまだしも、煙には3大有害物質である「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」のほか、70種類超の発がん性物質が含まれているそう。たばこを吸い、これら有害物質が空気中を漂うことで周囲の非喫煙者にも被害が広がってしまいます。

 

「家族から煙たがられる」「健康診断の結果、医師からやめるよう勧められた」などもあって、今回の値上げを機にたばこをやめようと考える方も多いでしょう。一日でも早くやめれば、そのぶん寿命が延びるとも言われています。もし自分1人ではやめられないというのであれば、内科クリニックの多くで受け付けている「禁煙外来」を利用するのも手。保険適用で禁煙に取り組めます。禁煙に成功すれば今後の体への影響も、周囲への迷惑もゼロになり、お小遣いの節約も可能。いいことづくめの禁煙にぜひチャレンジしてみてください。