ここ数日、急に冷え込んできましたね。季節の変わり目を実感したことから、肌のお手入れにも力が入り始めました。そこでふと思い出したのが、数年前からよく見聞きするようになった「美肌菌」という言葉。“なんとな~く”でしか理解していなかったので、このタイミングでしっかりと調べてみました。

はじめに、人間の肌にはたくさんの菌が存在します。これは「菌」という言葉からイメージされる悪モノではなく、肌をキレイに保つためには必要不可欠な菌。腸内環境でいう「善玉菌」ですね。この菌は「常在菌」と呼ばれ、皮膚や毛穴の中などに約20種類・数百億個が存在すると言われています。

この常在菌がバランスを取ることで、肌が荒れず、しみ・シワも抑えられているのだとか。逆を言えば常在菌がいなければ、すぐに肌状態は悪化してしまうということです。

腸内環境への関心が高まる昨今、ビフィズス菌と聞けば、誰もが「体に良いモノ」と判断するでしょう。肌表面においては「表皮ブドウ球菌」がビフィズス菌のような善玉タイプ。この表皮ブドウ球菌こそが「美肌菌」と呼ばれるものなのです。なお、肌は腸内と同じく善玉菌のほかにも「日和見菌」「悪玉菌」が存在します。

皮脂を栄養にしている表皮ブドウ球菌は、それをエサとして脂肪酸とグリセリンを作り出す働きがあります。肌にうるおいを与えるグリセリンが作られることで、皮膚の水分が蒸発しにくく、美肌の大敵「乾燥」を防ぐことが可能です。うるおいがある肌はやわらかくしなやかな表面で、ターンオーバーの周期も安定。さらに肌を崩壊に導く「黄色ブドウ球菌」の増殖を抑えるため、きめ細かな美肌へとつながっていきます。

 

となれば表皮ブドウ球菌をしっかりと維持することが大切であることがおわかりいただけると思います。しかし目に見えない菌をどのように保護していけばいいのでしょうか。

実はこの美肌菌は角質層におり、「無理に」角質を落とすと、一緒に流れ落ちてしまうのだそうです。表皮ブドウ球菌がいなくなると、その間に悪玉の黄色ブドウ球菌が繁殖してしまうという厄介な面も。失われた表皮ブドウ球菌が元通りになるまでには半日程度かかり、その間は悪玉菌が占拠してしまうそうなので、注意が必要です。

表皮ブドウ球菌を保つためには、強力な洗顔料の使用や過剰な洗顔を避けなければなりません。さらに角質を無理やり落とすようなピーリング、強いフェイスマッサージなど肌へのいきすぎた刺激、乾燥などももちろん同じ。表皮ブドウ球菌が減り、黄色ブドウ球菌が増殖すると、肌荒れはもちろんアトピー性皮膚炎の発症にもつながってしまう恐れがあります。

近年、推奨されている「洗顔料を使わない洗顔」。女性の場合はメイクを落とさねばならないため、洗顔料を一切使わないというのは難しいでしょう。しかし夜に洗顔料を用いてメイクを落としたら、表皮ブドウ球菌の復活までしっかり保湿。朝は洗顔料を使わずぬるま湯で丁寧に汚れを落とすなど工夫してみましょう。

調べてみましたが、残念ながらメイクなど肌への外的な働きかけで美肌菌を増やすことは難しいとのこと。しかし表皮ブドウ球菌は汗などを好むため、適度な運動で汗をかけばOK。美肌菌が徐々に増加するかもしれません。休みの日はメイクをしない=洗顔料を使わない、といった日をつくるのも有効です。

 

腸内環境と同様に、肌の常在菌は「バランス」が大切。美肌菌である表皮ブドウ球菌にとって良い行いを続けることで、無理をせず自然に、肌に存在する菌の比率を黄金比に近づけましょう。