新型コロナウイルス感染症第3波が押し寄せている年末。楽しみにしていた忘年会もクリスマスも、今年は外食が難しい状況。そんななか推奨されるのが「家飲み」です。今年の漢字「密」は、コロナの3密を避けるという意味のほかに、『ZOOM飲み』などで離れていた相手とも“関係が密”になったという意味合いもあるそうです。

 

みんなの前でペースを合わせて無理にアルコールを飲んでいるという人は、家飲みほど快適なものはないと思います。しかし、いわゆる「のんべえ」は別。終電や乗り過ごし、帰りの事故などを気にする必要がなく、飲み会終了後はそのままベッドに滑り込めるので、調子に乗って飲み過ぎてしまう人もいるのではないでしょうか。

適度な飲酒は体にいいとされていますが、過度な飲酒はもちろんNG。特に糖尿病は肝障害や膵障害などが加わると血糖コントロールが困難になり、目や末梢神経に問題が出てくるほか、腎臓の障害、動脈硬化が原因の脳血管障害や虚血性心疾患などの危険も高まります。

アルコール性膵炎では膵β細胞が破壊され、インスリン分泌が低下します。それが糖尿病へとつながっていくわけですが、血糖値を上げるグルカゴンの膵分泌も低下してしまうため血糖値が変動し低血糖も起こしやすくなるのだとか。またアルコール性の肝硬変は、肝臓にブドウ糖を貯蔵しにくくなるうえ肝臓で分解されるはずのインスリンが過剰に残って慢性高インスリン血症となってしまうそう。それ以外にもお酒を飲む際に欠かせない美味しいおつまみも、カロリー摂取過多となり高血糖を助長することが多いです。

もちろん糖尿病だけではありません。大量に飲酒し続けている人やアルコール依存症の患者には脳萎縮を起こしている人が多いだけでなく、「過去」アルコールを大量に摂取していた経験がある人が認知症になりやすいのです。5年間以上、アルコール乱用や大量摂取の経験がある高齢男性は、そうでない人に比べて認知症の危険性が4.6倍という報告もあります。

 

こうした事実を突きつけられると、お酒好きの方はいい気分がしませんよね。でも実は糖尿病も認知症も「適度な飲酒」がその発症リスクを低下させる可能性が示唆されています。ですから「お酒は何が何でもやめるべき」ではありません。楽しく、適度に飲むことが大切なのです。なお、飲酒しない人が適度な飲酒をしたときに、糖尿病・認知症予防になるのかということは明らかとなっていないそうです。そのため「予防」として飲むことはおすすめできませんのでご注意ください。

 

ステイホームでも飲酒の機会が増える人も多い年末年始。適度にお酒を楽しみ、新しい年も健康な体で過ごしましょう。