2月中旬より始まった、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種。注射器の問題による「1瓶5回」接種問題、冷蔵庫故障(のちに電源供給の問題と判明)などさまざまなトラブルも発生していますが、現時点では大きな副反応の報告もなく順調に進んでいるようでひと安心です。現時点では医療従事者のみとなっていますが、4月中旬頃から高齢者や基礎疾患を持つ人、高齢者施設関係者の接種も始まります。

日本が採用しているファイザー社製ワクチンは一人全2回接種が必要。1回目の接種から3週間後に、2回目を受けることで完了するのだとか。子どもの頃の記憶がなく「2回受けた」ことのある覚えがないのですが、何度も受けるのは大変だなあと思っています。

主にワクチンには「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」などの種類があることは、以前当ブログでも取り上げました。生ワクチンは、本物の生きたウイルス・細菌の中の毒性(病原性)を極力抑えつつ、免疫が獲得できるようウイルスの力を弱めた製剤です。要するに一度人工的に「罹患する」ことで、自然感染と同じ流れで免疫を獲得することができます。ただし、自然感染よりも免疫力が弱く、追加での接種が必要となるケースもあります。自然感染と同じ作用なので、病気の強い症状は出ませんが、軽い風邪のような症状が出る人もいます。

 

不活化ワクチンは、免疫を獲得に必要な成分だけを残し、毒素等を排除した製剤です。接種しても「罹る」ことはないですが、ワクチンによって必要回数が異なります。また、トキソイドは、免疫を作るために必要な毒素の毒性をなくしたもの。不活化ワクチンとほとんど同じです。

 

 

そして今回、日本で採用されたファイザー社のワクチンは「mRNAワクチン」です。命を維持するために必要な「タンパク質」は、設計図であるDNAを基につくられています。しかしDNAも有限ですから、その設計図をコピーしたもの「mRNA」を活用してタンパク質をつくりだしているのだそう。そこでこのワクチンには、新型コロナウイルスの表面に多数存在するスパイクタンパク質となる「mRNA」が組み込まれています。ワクチン接種により体内に入った「mRNA」がスパイクタンパク質をつくり、それが免疫細胞で分解されることで新型コロナウイルスを「敵」と認定。体に記憶しすぐに攻撃できる態勢を整えてくれるようになり、体内に新型コロナウイルスが入り込んでも増殖を防ぎ、発症や重症化を抑えることができるのだそうです。

コロナが単なる「騒ぎ」から「世界的問題」となって1年足らずでできたとは思えないワクチンですね。厚生労働省によると、現在は国内外で「不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチン、メッセンジャーRNAワクチン(mRNA)、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなど様々な種類のワクチン開発が行われています」とのこと。ウイルスベクターワクチンは、アデノウイルスなど感染力のあるウイルスを介して新型コロナウイルスの遺伝子を細胞内へ運び込ませて抗原をつくるというもので、中国ではこのパターンのワクチンも承認されています。

 

人類が新型コロナウイルスをコントロールできるようになるまであと少し。まだしばらくは「新しい生活様式」を遵守して、その日を待ちましょう。