かつては多くの男性が嗜んでいた「煙草」。昭和41年の成人喫煙率は83.7%(JT全国喫煙者調査)と言われ、吸わない人を見つけるほうがよっぽど難しいという今ではとても考えられない状況でした。確かに私の子どもの頃は、電車のホームでも建物の廊下でも、どこでも吸えたように思います。特急や新幹線、飛行機でも喫煙が当たり前の時代がありました。

しかし喫煙は本人の健康被害はもちろん、受動喫煙という形で周囲の人々の健康も脅かします。現在は屋内においては喫煙から分煙へ、分煙から禁煙へ。日本では路上喫煙にも厳しく、喫煙する場所も見つけることが難しい状況。昔ながらの煙がモクモクと出る紙巻タバコは目立つことから、においの少ない加熱式タバコをこっそり吸うのが精いっぱいといったところです。先日もお伝えしたとおり、最新の国民健康・栄養調査によると現時点で習慣的に喫煙している人の割合は16.7%。うち男性喫煙者は27.1%で、4人に1人程度。かなり少数派です。

その中には「やめたいけどやめられない」という人もたくさん含まれていることでしょう。そして本日5月31日は「世界禁煙デー」。健康に与える影響や受動喫煙の危険性を訴え、「煙草を吸わないことが一般的」になるようWHOが制定した目標を推進するための日です。平成元年に制定されて以降、厚生労働省は世界禁煙デーが始まる一週間を「禁煙週間」と制定し、さまざまな施策をしてきました。こうした努力もあって、喫煙者が激減しているのでしょう。

 

この1年は新型コロナウイルス感染症が拡大し、喫煙リスクについてもさまざま議論されてきました。「なかなかやめられない」という人も自分自身の健康はもちろん、家族の受動喫煙問題も改めて考え、これを機会に禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。コロナ禍の始まりは「自粛なんて無理」「日本ではリモートワークはなじまない」「夏にマスクなんて正気か?」など意見が飛び交いましたが、なんとか1年やってこられました。もしかしたら「煙草がやめられない」は幻想かもしれませんよ。

ただ映画やドラマの主人公が煙草を吸うシーンは、それだけで絵になる「しびれる」しぐさです。煙草に火をつける、くわえる、捨てる(ポイ捨てはダメですが)…。そうしたしぐさ一つで喜びや悲しみ、切なさなど登場人物の心理を表現することも。そもそも吸う人が減っているのでこのような「文化」も伝わらずその内すたれていってしまうのでしょうが、煙草=悪という極端な風潮もさびしいものを感じてしまいますね(笑)。