去る6月1日は、総務省が定めた「電波の日」。戦後、電波法や放送法、電波監理委員会設置法が施行されたことで国民の電波利用が広く開放されたことを記念して設けられたといいます。そして5月15日から6月15日までは、豊かな生活を実現するための情報通信のあり方の理解を広めるための「情報通信月間」として、市民にも公開される講演会などさまざまな行事が行われています。

 

かつて携帯電話が普及し始めたころ、「電波」が私たちの体に悪影響を及ぼすのではないかと言われていました。現在はそうした意見を気にしていられるほど「電波」から離れた生活は事実上不可能ですし、実際に一般人が携帯電話を手にできるようになって20年超の間、顕著な健康被害を特定して感じることがあまりないことから、今では気にしていない人が圧倒的多数でしょう。しかし実際のところはどうなのか、「電波の日」をきっかけに調べてみました。

2020年はコロナに振り回された年(現在進行形ですが)となりましたが、本来であれば東京五輪とともに「5G元年」として盛り上がる年のはずでした。影こそ薄くなりましたが五輪と異なり “延期”されるものではないので、すでにその恩恵を感じている方も多い「5G」。次世代のモバイル通信規格で、高速大容量通信により、自動車の自動運転、家具などのIoTデバイス化によるスマートホーム・オフィスの実現、遠隔医療の推進、VR・ARなどの表現技術の応用が可能となり、私たちの生活が一変すると言われています。

日々進化する「電波」ですが日本人にとって身近になったのは戦後であり、また意識するようになったのは携帯電話が普及し始めた頃でしょう。しかし人間が電波を利用し始めたのは125年以上前のこと。電波が生物に対して影響するかどうかについては、なんと60年以上も前から研究されてきたそうです。そして非常に強い電波にさらされることで「熱作用」「刺激作用」が生じることがわかっています。

「熱作用」は電波の一部が体内に吸収され、熱になること。電力×時間が熱となり体温が上昇します。これを利用した家電が電子レンジ。レンジそのものが熱するのではなく、電波を使った「熱作用」で、食事を温めてくれますね。「熱作用」は体温上昇を招き、ストレスを感じるなどの悪影響が出る可能性があるとされています。

「刺激作用」は、神経や筋の動きに影響がある可能性のある作用。生物が電波にあたると電流が生じたり、電波による誘導電流が生じる導体に触ると電流が流れますが、それが一定量を超えると、神経や筋に影響を与えることがあるそうです。なお、発がん性に関しては国際がん研究機関にて今もなお調査されていますが、「発がん性の可能性を完全に否定できない」とされ、携帯電話の長期間・長時間使用の研究継続が重要だとされています。

 

ただし総務省によると、普通に生活していて体に影響を及ぼすほどの電波を浴びることはないとしています。今後技術革新が進み、今以上に電波が使われることになっても、日本国内では「電波防護指針」があり、人体に影響を及ぼさないよう規制がかけられています。日本で販売されている端末はこの「電波防護指針」を遵守したもので安心して使用できるものであり、また周波数の高い「5G」も人体への作用は同じで、世界的なガイドラインに準拠したものなんだそうです。

今後さらに技術が進み、より多くの場面で電波を使われることになると思いますが、特に健康に影響はないということでひと安心です。どちらかと言えば現代人は「電波」ではなく、スマートフォンの使いすぎによる「スマホ腱鞘炎」「スマホ依存症」「スマホ老眼」を心配したほうがいいかもしれませんね。