先日、製薬大手のエーザイの株価が急騰し、ストップ高になったことが大きな話題となりましたね。これは同社が米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬候補「アデュカヌマブ」が6月7日、米食品医薬品局(FDA)に承認されたことを受け、エーザイ株に買いが殺到したことによります。これまで「進行を遅らせる」ことしかできなかった認知症に対し「治療」することができる新薬として世界中から期待が高まっています。

東京都健康長寿医療センター研究所によると、現在65歳以上の約16%が認知症であり、2025年には高齢者の5人に1人、国民の17人に1人が認知症になると言われています。期待の新薬「アデュカヌマブ」は、日本国内では年内にも承認の可否を判断する可能性があるということですが、薬価の問題などもあり、今後どう実用化されていくのかは不明。人類が「認知症」を乗り越える希望は生まれたものの、現状では従来どおり進行抑制のための服薬やリハビリを続けることになります。

リハビリテーションは、認知機能の低下を防ぐだけでなく、役割や活動の場を見つけたり外出するきっかけとなったりと心身の活性化が期待できます。歌う、手工芸を楽しむ、簡単な体操などで体を動かす…など楽しみながら取り組めるのも魅力です。

 

そして近年の認知症ケアの一つとして「セラピードッグ」の効果が高いことが注目を集めているそうです。一般財団法人 国際セラピードッグ協会によると、セラピードッグは“可愛いワンちゃんに触れて和む”といったいわゆる「癒やし」を提供するものではなく、『動物介在療法』という治療の一つなんだそうです。

あるセラピードッグと対面した男性は、当初はまったく興味を示さなかったものの、犬に触れ、何度も犬の名前と、男性自身が犬好きであったことを根気強く伝えることで、男性はワンちゃんの名前を覚え、そして「一緒に散歩をしたい」という意欲から歩くリハビリを始めたそう。こうした積み重ねが「覚える力」を取り戻すきっかけになるといいます。

国際セラピードッグ協会では、保護犬に2年半の特別な訓練を実施し、セラピードッグとして世に送り出しています。認知症だけでなく、がん患者や小児患者の心身の支えにもなっているといい、治療希望者は増え続けているそうです。人間の心強いパートナーであるセラピードッグは、今後ますますメジャーな存在となっていくでしょう。