体調が悪いなと思っていながらも元気にふるまっていると、「顔が真っ青だけど大丈夫?」「顔が赤いよ。熱あるんじゃない?」なんて声をかけられることがあります。体調は顔に出やすく、指標にもなり得るもの。例えば肝炎や肝臓がんなど肝機能が低下すれば黄疸が出たり、土気色と呼ばれるように黒ずんだりします。そして色だけでなく、その表情も。隠し切れない体調不良はどよんとした雰囲気を放っているので、遠目からでも「あの人、具合悪いんだな」とわかりますよね。

人間の体はすべてつながっているのですから当然といえば当然なのですが、最近では認知機能の低下も顔に出るという研究が進んでいるようです。高齢の家族の顔をよく見てみましょう。もしかしてサインが出ていませんか?

「年齢より見た目が若い」「年齢より見た目が老けている」など個人差はありますが、加齢により年々人の顔は変化していきます。しかし認知機能低下の疑いがある人を対象にした世界基準の認知症検査に加え、医師や心理士らの“見た目年齢判断”の実験結果では、認知症の疑いが低い人は見た目が実年齢より若かったそうです。

しかし軽度の認知症であれば表情からはわかりにくい。しかし、早いうちに発見し進行抑制に努めなければなりません。しかし軽度の人に対して認知症検査をすることは相手を傷つけたり怒りを買ったりすることも……ということで、AIに認知機能が低下した人の顔を覚えさせ、画像診断による認知症検査につなげるという研究が進んでいるそうです。

まだまだサンプルが少ないものの、陰性・陽性を選び出す正解率はなんと9割以上。人間が作ったはずのAIなのに、不思議なもので「どこで認知症と判断しているか」はわからないそうですが、この正答率は本当にすごいですね。ただ実際には「認知症診断」までは難しいとされています。使い道としては年1回の健康診断時に顔写真を撮り、昨年と比較、あるいは10年前と比較……などして顔の変化を知り、「受診のきっかけをつくる」ことが目標のようです。

世界で最初に「アルツハイマー病」と診断され、55歳で死去(発病は50歳)した女性の晩年の写真はまるでおばあちゃんのようだったそう。例えば女優の石田ゆり子さんは51歳、天海祐希さんは53歳。……おばあちゃんどころか、おばちゃんとも言い難いレベルなのであまり比較になりませんが、50代前半でおばあちゃんに見えたというのはアルツハイマー病が「顔に出ていた」証拠なのでしょう。多くの場合「見た目の若さ」は美容面で追い求める理想だと思っていましたが、健康面でもとても重要だったのですね。これからの健康管理に「顔」も追加してください。どんなに忙しくても、家族と顔を見て話す時間を大切にしましょう。