新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会状況が一変した2020年。現在、東京をはじ
め複数の都府県で緊急事態宣言中。PCR検査陽性者は増え続け、東京ではついに1日の判明
者数が5000人を超えました。

飲食店への時短営業・酒類提供自粛要請、観光関連業界の壊滅的被害などが話題になりが
ちですが、コロナ禍においてさまざまな業界が苦しんでいます。その一つにブライダル業
界が挙げられます。結婚式は老若男女、多数の人が集まる人生一度きりのイベント。新型
コロナにより結婚式を延期・中止するだけでなく、結婚そのものを先延ばしにしている人
も多いと推測され、厚生労働省によると、2020年の婚姻数は戦後最少の52万5490組となっ
ています。

「結婚=幸せ」という概念が崩れた昨今。現代は離婚も増え「最期まで添い遂げる」が美
談ではない時代ですが、婚姻状況が循環器疾患の発症リスクを上げるなど、健康状態に影
響を与えることが研究により明らかになっています。「結婚は人生の墓場」という名言
(?)がありますが、もしかしたら「未婚も人生の墓場」なのかもしれません。

そして富山大学の発表によると、高齢者の婚姻状況は認知症にも関連することが分かった
そう。敦賀市立看護大学・中堀伸枝講師、富山大学の山田正明助教・関根道和教授らのグ
ループによる研究では、「富山県認知症高齢者実態調査」として認知症がある137人と認
知症がない1034人を対象に実施。生活習慣病に「婚姻状況」を加え、認知症との関連性を
調べたそうです。

すると年齢に比例して認知症リスクが高まりますが、さらに「配偶者と一緒にいない状況
」も認知症と関係があることが判明(死別88%、他は離婚・未婚)。しかも配偶者といる
人に比べて1.71倍も高まるのだとか。ちなみに生活習慣病の分析では、配偶者と一緒にい
ない人の「脳卒中」リスクは1.81倍。長年連れ添った配偶者に先立たれると、生活習慣が
乱れるだけでなく大きな精神的ストレスもかかり、生活習慣病や精神状態の悪化から認知
症リスクが高まると分析されています。

結婚するもしないも自由であり、また永遠を誓った2人が何らかのきっかけで離婚に至る
ことも自由。そして二人三脚で連れ添ってきても、最終的にほとんどのケースで「死別」
します。これらは避けられないものの、「伴侶を失った高齢者は認知症リスクが上がる」
ことが周知され、その生活状況に多くの人が注意を向けることで、高齢者の孤立を防いだ
りストレスを緩和したりと認知症発症や症状の進行抑制につながることが期待されます。