ちまたには真偽不明の情報があふれています。例えばかつてまことしやかにささやかれた大物芸能人の死亡説、最近ではワクチンにはマイクロチップが入っていて5G通信で操れるなど、びっくりするような“情報”が独り歩きしていることもあります。

 

中でも多くの日本人が「よく聞く」のが『ステロイドの危険性』ではないでしょうか。ステロイドといえば、アトピー性皮膚炎の外用薬として用いられているイメージで、患者には手放せないお薬。ステロイドは人間の大切な臓器の一つである副腎で作られたホルモンであり、その作用を応用して薬にしたもの。免疫反応・炎症を抑えてくれます。

 

個人差はありますが、薬を塗ることで傷ついた肌がすっかりキレイになるというその効果の強さが、「恐ろしい」という印象を与えるのかもしれません。「劇的な特効薬」はありがたい一方で、「なにかとんでもないモノが入っているのでは?」と不安になってしまう人もいるでしょう。そして90年代にはステロイド=危険とするテレビ番組も放映されたことで、アトピー性皮膚炎患者やその家族だけでなく、ステロイド剤とは無縁の過程でも「ステロイドは危険である」と印象が植え付けられてしまいました。

でも「ステロイド剤の特筆すべき効果はぜひ手に入れたい」ところ。「本当は怖い」と言う方も、ステロイド剤を短期間塗って肌がきれいになったら塗るのを止める。こうした使い方をされている人もいるのではないでしょうか。しかし、これが大きな間違いにつながるのだとか。表面の皮膚がきれいになっていたとしても、皮下では炎症につながる種が残って再燃してしまうそうです。そしてその中途半端な治療が、悪化につながってしまいます。

 

大切なのは医師の指示にしたがい、中途半端なステロイド剤治療をしないこと。しっかりと薬を使う日、ステロイド剤は休んで保湿に充てる日を決め、それどおりに習慣を繰り返していきます。そしてステロイドを塗布する間隔を広げていき、最後は保湿剤だけにして「完治」につなげていく……というやり方も、医師の指導下で行うことがあるそう。

 

ステロイドは長年使われてきて、安全性も確認されています。インターネットに広がる情報は、真実も嘘もあり、専門家でない私たちには判断できません。素人考えで判断するのではなく、不安なことがあればかかりつけ医に納得するまで聞き、処方された薬の継続・中断を自己判断で決めないこと。アトピー性皮膚炎治療に限らず、すべての疾患に共通することです。