最近、たびたび新聞やテレビなどメディアで取り上げられている「ヤングケアラー」をご存知ですか。ヤングケアラーとは、18歳未満で、障がい者・高齢者など家族の介護・介助、幼いきょうだいのケア、アルコール依存症等の問題を抱える家族への対応などのほか、家計を支えるための労働や家事など本来なら大人が行うことを引き受けている子どものこと。「おうちのお手伝い」の範囲を超え、学業や部活動、友人との交流にも支障が出ている子どもたちは少なくありません。

 

例えば那覇市教育委員会が中学校を対象にした実態調査では、全体の76%に相当する13校にケアラーがとみられる生徒約40名おり、その多くは保護者の疾患によるものなんだそう。国の調査でも公立中高生徒の4~6%が当事者であることがわかっています。

 

もちろん家族のケアをする・できるという経験やスキルはマイナスではありません。病気や障がいへの幅広い理解や、生活力の高さなど、同年代ではなかなかないスキルを獲得し、長い人生の役に立つことも多いでしょう。しかし家族のケアに集中することで、学校に遅刻・欠席することが増えたり、部活への参加が制限されたり、家計を支えるためアルバイトに出たり。進学が困難になる、諦めるといったケースも少なくないうえ、子どもにとって当たり前の「友達と遊ぶ」という機会も奪われてしまっているのです。

この原因は、核家族化やひとり親の増加による「おとな家族構成員の減少」が招いているとされます。当事者の子どもたちは自分が「ヤングケアラーである」という認識もほとんどなく、たとえ苦しくても「そういうものだ」と思い込み、支援の手が行き届いていないのが現状です。そんな状況を変えるべく、厚労省と文科省は来年度の予算概算要求に支援事業費を盛り込みました。厚生労働省では支援団体などとの連携や家事支援などを見据え、文科省はスクールカウンセラーなどの相談を強化し、過度な負担を強いられているヤングケアラーを早く見つけ支援につなげていくといいます。

 

「世の中大変な思いをしている子どもがいるんだな」と他人事ではありません。晩婚や高齢出産が増えている今、自身が60歳を過ぎても子どもが成人していないというケースも少なくないでしょう。「健康」は自分自身のためだけではなく、家族に対しての責任でもあります。ヤングケアラー問題は決して“自分には関係ないもの”ではないことを認識し、日々の健康維持・増進に努めましょう。