皮膚のバリア機能が低下し、強い痒みのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返すアトピー性皮膚炎。多くは成人するまでに治るとされていましたが、現在は大人になっても治らない、大人になってから発症する…という人も増えているそうです。

 

バリア機能が低下した肌に、アレルゲンが入り込むことでアトピーは悪化すると言われており、子どもの頃は食物アレルギーやハウスダストなど環境的な要因により、症状が強くなることが多いそう。しかし成人になると、その要因は心理的なストレスに。心理的なストレスが脳の自律神経のバランスや免疫の働きを乱してしまい、症状を悪化させているのではないか、と言われています。

 

特に悪化につながるストレスは、日々の積み重ねなんだそう。受験や就職に失敗した、リストラされてしまった、伴侶と死別したなど人生の一大事よりは、「毎日の仕事が忙しい」「嫌いな人が学校や職場にいる」といった日常生活内のストレスが影響しているのだとか。そしてそのストレスの感じ方も人それぞれ。嫌いな上司がいたほうが反骨心で頑張れる人もいれば、嫌いな上司がそばにいるだけで落ち着かないという人もいます。千差万別のため、一概にこうするべきだという「正解」はなさそうです。

逆にアトピー性皮膚炎自体がストレスを作り出している可能性もあります。痒みなどのストレスに加え、見た目の問題にも発展し、より強いストレスを感じ、それがうつ病や不安障害など、精神的な病気につながってしまうといったことも少なくないそうです。ところがアトピー患者がうつ病などを発症していても、「アトピーだから消極的な性格だ」などとアトピーのせいにされがちで、重大なうつ病症状を見逃されてしまうことも。うつ病による不眠も痒みのせいか否かなどその理由は違うのに、同じように捉えられてしまうケースもあります。

 

ですからまずはその原因がアトピーによるものなのか、それとも精神的なものであるのかを先に突き止めなければなりません。もしうつ病であるのなら、アトピー性皮膚炎のためにやらなければならない皮膚へのケアなどにもやる気が起きず、アトピーが悪化してしまう人もいるそうです。アトピー性皮膚炎に悩む本人がそのことに気づき、適切なうつ病治療を受けることで、治療に対する意欲がわき、症状の緩和へと近づきます。

 

例えば便秘になるとお肌が荒れたり、寝不足で肌色がくすんだり、うつ病がアトピーを悪化させるようにストレスが肌に影響を及ぼしたり、皮膚は心身のいわば「鏡」です。肌状態の悪化は、心への強いストレスかもしれません。お肌と同じくらい、心も労わってあげましょう。