国内に2000万人以上いるとされている糖尿病患者と糖尿病予備軍。世界でも患者は増加しており、日本国内の問題にとどまりません。悪化すれば失明や腎症、神経障害などの合併症を引き起こす可能性もあり、服薬治療のほか食事・運動療法などの生活習慣の改善により病気のコントロールをめざします。

 

糖尿病内科などでは、医師だけでなく医療スタッフも糖尿病の専門知識を有しく、患者をサポートしてくれます。中には豊富な知識と経験を持つと認められた「糖尿病療養指導士」の資格を持った人もいます。

 

糖尿病療養指導士は、療養指導チームの一員として質の保証された療養指導を行うことができる医療従事者の育成をめざして2000年に創設されたもの。看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士ら有資格者のみに受験資格が与えられます。

 

この糖尿病療養指導士は、CDEJ(Certified Diabetes Educator of Japan)とも呼ばれ、「食事」「運動」「薬」という主たる糖尿病治療において、患者の糖尿病セルフケアを支援します。例えば食事療法であれば患者のパーソナリティから必要エネルギー量等を計算し、栄養バランスを考えて指導。食事療法と同時に行うことで相乗効果が見込める運動療法であれば、無理なく毎日続けられる方法や日常生活に運動を組み込むようなプログラムを提案してくれます。

こうした努力をしても血糖コントロールがうまくいかない場合、血糖値を下げる服薬や注射など薬物療法も並行して行います。そのため糖尿病療養指導士は薬についても豊富な知識を有します。低血糖を起こさないように、薬が適切なタイミングで投与されているか、量は適正かなどを管理し指導してくれます。

 

糖尿病は遺伝的なものであったり、仕事に多忙であったり、ストレスが強かったりとさまざまな原因があり、健康的な生活が難しい人も少なくありません。とはいえ、医師がつきっきりで指導するわけにもいかないため、「チームで指導する」ための専門家として糖尿病療養指導士を育成。患者一人ひとりの状況に合わせて対応できるのが強みです。

 

医療系の有資格者かつ、過去10年以内に2年以上、糖尿病患者に1000時間を超えて療養指導したことがある、療養指導を基準を満たした医師から指導を受けて行っていること、認定者による講義の受講など、かなりの経験や知識、勉強が必要なんだとか。

 

なるべくならこうした専門家に頼らず一生を終えたいところですが、予備軍まで含めれば、決して他人事ではない糖尿病。こうした専門職の人たちのおかげで、前向きに治療に取り組み、病気とうまく付き合っている患者さんもたくさんいます。もし糖尿病で悩んでいて「糖尿病療養指導士の力を借りたい」という人がいたら、認定団体のHPに、資格取得者が在籍する医療機関が掲載されていますので参考にしてくださいね。