誰もがなる可能性がある認知症。未だ根本治療はないものの、早期発見・早期治療により、「進行抑制」は可能になりつつあります。とはいえ、認知症には自覚症状のある人が極端に少なく、またいよいよおかしいと気付いた家族が病院に連れて行こうとしても拒否されたりなど、なかなか受診につながらないという面もあるようです。

 

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβが徐々に脳に溜まって認知症を進行させます。その段階で起こる各症状にはさまざまなものがありますが、特に有名なのが「物忘れ」ですよね。ただ「物忘れ」には加齢によるものもあり、それがすなわち認知症ということではありません。

 

一般的な加齢による物忘れは「一部を忘れてしまう」という特徴が。「今日お昼に何食べたっけ?」と体験したことの内容が思い出せないことは、多くの人にあるのではないでしょうか。

認知症との違いは、まず食べたことは覚えていること。認知症であれば「食事したという体験」そのものを忘れてしまいます。そして加齢によるものであれば「あぁ忘れてしまった」という自覚があります。

 

また物を失くしたときも、加齢であれば「あぁどこに置いたんだろう」「外出先で落としてしまったのかも」と一生懸命探します。しかし認知症は「誰かが盗んだに違いない!」といわゆる“物盗られ妄想”に陥ってしまったり、探しているうちに「あれ?何していたんだっけ?」となってしまいます。

 

このほか理解力や判断力が低下して事あるごとに時間がかかる、数分前のことでも忘れる、家族が誰だかわからない、家がわからないなど。さすがに家族の顔を忘れている様子なら病院に駆け込むと思いますが、実際は判断力の低下程度では本人に自覚もなく、また家族も「親も年取ったな」と流してしまいがちなのです。

 

ただ、これだけさまざまな情報が掴める現代では、認知症に関する知識を簡単に得ることができるため、意識していれば「何か違うぞ」と本人が気づけることもあります。「自分は大丈夫」と過信せず、ちょっとでも異変を感じたらすぐに病院へ。もちろん家族の態度や記憶に疑問を持つようになっても同じです。早期発見と進行抑制、そして将来たどる症状を見据えて、認知症に対応できる介護サービスの導入も調べておきましょう。