「あなた、お帰りなさい。食事にする? それともお風呂にする?」。昭和のホームドラマのようですが、実際に30年くらい前には多くの家庭できっと当たり前だった会話です。現在は共働きが増え、こんなゆったりと余裕のある生活をしている人は少ないと思われます。子どもがいればなおさら、家に帰ってからは食事に、お風呂に、と大戦争が始まることでしょう。

 

コロナ禍になってから、帰宅後はまず入浴して体を洗い流してから食卓につく人も多くなったのではないでしょうか。食前の入浴でさっぱりしてから、食事を摂るのも悪くありません。しかし、子どもがいればそんなことは言ってられず、食事で汚れることもあるため「まずは食べさせないと」と食事が先、食後の入浴という家庭もあるかもしれません。

 

ここで気になるのが、食前と食後で入浴の健康効果は変わってくるのかどうかということ。逆に「健康に悪い」習慣であるのなら、なるべく早いうちから改善したほうがよいこともあります。

お風呂に入り温まると、皮膚の血管が拡張します。すると反対に胃腸の血管は収縮してしまい、温まり過ぎると胃・腸は貧血状態になってしまうそう。さらに胃液の分泌が止まったり、腸の運動が止まったりと、食事を摂るのにふさわしい状態とは言えません。食前の入浴の際は、入浴後1時間程度休んでから食事することが望ましいようです。

 

食後はどうでしょうか。食後も同様に胃や腸の動きが妨げられますから、食後すぐの入浴はNGです。こちらも1時間ほど休憩してから、入浴するようにしましょう。しかし、入浴後に体温が上がり、下がると眠気がきます。その時間は90分ほど。帰宅後に食事をつくり、食べ、休息してから入浴する。その後90分以上が過ぎてからようやく就寝……となると、子どもがいる家庭なら少し遅い時間になってしまうかもしれませんね。

 

以上のことから、どちらが正しいというわけではなく、ライフスタイルに合わせてそれぞれ適切な入浴時間があるようです。食前と食後、どちらが適しているかは就寝時間から逆算して考えるとわかりやすいでしょう。これからどんどん寒くなっていきますが、入浴で体の芯から温まることで風邪などの予防はもちろん、自律神経のバランス維持にも役立ちます。シャワーだけで済まさず、湯舟に浸かって健康をキープしましょう。