近年、喫煙者が減少し、煙草を吸う人を見かけることが少なくなりました。度重なるたばこ税の増税をきっかけに禁煙したという人も多いかと思いますが、それと同じくらい「健康」のために煙草を止めた人も少なくないはずです。

 

喫煙は、がん、虚血性心疾患・脳卒中・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・糖尿病など、循環器疾患や呼吸器疾患、生活習慣病と深く関係しています。例えば糖尿病。煙草は交感神経を刺激するため血糖値を上昇させる作用があります。さらにインスリンを妨げる作用があり、糖尿病にもかかわらず煙草をやめなければ、脳梗塞や心筋梗塞などのほか、糖尿病性腎症など合併症の可能性も出てきます。

 

インスリン抵抗性が高まると動脈硬化を起こし血管が傷みます。また煙草を吸うことで脳へいきわたる酸素量も少なくなり、脳にも悪影響が。糖尿病と認知症の関係は広く知られるところですが、喫煙が関わる部分も少なくなさそうです。また喫煙によってリスクが高まる脳梗塞も脳血管性認知症の原因の一つ。喫煙は“万病のもと”なのかもしれません。

ただし禁煙をすることで、心筋梗塞や脳卒中のリスクが大幅に減ることも明らかになっています。「煙草を止めると太る」などと言われ、実際に体重増加が見られる傾向がありますが、仮に太ったとしてもそれを上回る疾病リスク低減効果があるようです。

 

「でももう長く吸ってしまったから変わらないでしょ?」と諦めている人も、実は禁煙3年で認知症リスクは非喫煙者並みまで低下することもわかっています。認知症予防のための食材を継続して食べ続けたり、運動し続けたりするよりも、禁煙はいたってシンプル。止められるかどうかだけです。現在は禁煙外来などもあり、保険適用で医師による治療が受けられますから、これまで何度も禁煙に失敗してきた人も再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。今も煙草を吸っているという人は、一日でも早く禁煙を。