人間の体に必要なエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)をつくりだすミトコンドリア。30兆~60兆個とも言われる細胞を動かすエンジンとなり、細胞が働く際に必要とされるエネルギーの9割以上を生産・供給しているそうです。

 

ミトコンドリアは、エネルギーを生み出すときに酸素を使用し、そして毒となる活性酸素を発生させます。一方でミトコンドリア内にあるスーパーオキシドディスムターゼ2が活性酸素を素早く除去し、ミトコンドリア自体やその他の細胞がダメージを受けないようにしています。

 

このバランスが保てていれば、何ら問題はありません。ところがミトコンドリアの質が低下すると、スーパーオキシドディスムターゼ2の供給が減少してしまい、活性酸素が残り、細胞にダメージを与えてしまいます。もちろんそれは肌も例外ではありません。肌細胞もダメージを受け、肌のトラブルへとつながってしまいます。

ではこの質の低下がなにから来るのかというと、やはり加齢です。化粧品大手の株式会社KOSEでは、同一人物から採取した細胞のミトコンドリアを調査。その細胞の供与年齢とミトコンドリアの質の関係性、スーパーオキシドディスムターゼ2などの量を調べました。

 

すると各年代の細胞内ミトコンドリア量は変わらないのに、スーパーオキシドディスムターゼ2の量は年を重ねるとともに減少していることが明らかに。加齢によって細胞が活性酸素のダメージを受けやすい状態にあることがわかったのです。

 

また幹細胞研究を進めるロート製薬株式会社では、幹細胞で起こりやすいといわれるミトコンドリアが細胞間で受け渡される「ミトコンドリアトランスファー」について、脂肪幹細胞のミトコンドリアが真皮の線維芽細胞に輸送されることで、線維芽細胞老化を改善することを突き止めました。またそのミトコンドリアトランスファーを促進する成分として「プルーン分解物とアロエベラ葉エキス」を挙げ、これらを活用することでダメージのある肌細胞に正常なミトコンドリアが届き、回復へと導くといいます。

 

規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動……とは言っても、人は1年ずつ年を取っていき、ミトコンドリアの質の低下は避けられません。「最近肌の調子がいまいち」「老けたような気がする」という人は、近年各社が開発・発売しているミトコンドリアにアプローチするサプリメントやコスメなども試してみてください。