今年6月、エーザイとアメリカ・バイオジェンが共同開発したアルツハイマー型認知症の新薬「アデュカヌマブ」が米FDAにて承認されました。これまでは「進行抑制」薬しかなかったことに対し、初めての「治療」薬ということで、たいへんな注目を集めています。そして厚生労働省も同薬について、今月22日に承認の可否を審議すると公表しました。

 

この「アデュカヌマブ」の効果については専門家でも意見が分かれており、「救世主」ともてはやすことはできないよう。しかし苦しむ患者、その家族からすれば待望の新薬であり、希望であることは間違いありません。

 

認知症は、認知症本人に自覚がないことがほとんど。「おなかが痛い」「手がしびれる」「呼吸が苦しい」「足が動かない」などであれば自ら医療機関に受診できますが、なかなか「認知症検査を受けてみよう!」とはならないでしょう。家族も「様子や言動がおかしい」と思っても、即座に認知症を疑うケースは少ないかもしれません。

実際の認知症検査は、まず面談のほか採血や心電図などの一般的な検査を行います。その後、長谷川式簡易知能評価スケールなどを用いた神経心理学検査を実施。さらに脳の器質を調べる脳画像検査も行い、診断していきます。脳画像検査にはCT、MRIなど聞きなれたもののほか、脳血流を診るSPECT検査、MRI画像の解析を解析するVSRAD検査などがあります。

 

このSPECT検査は微量の放射線が出ている検査薬を注射し、その検査薬が集まったところから出ている放射線を検知して画像化。注射した検査薬剤が脳の血流状態の測定を可能にしてくれるのです。脳血流が低下しているかどうかが画像で確認でき、脳梗塞やてんかんなどの疾患がわかります。このSPECT検査を認知症検査に用いることで、アルツハイマー型やレビー小体型、前頭側頭型など、血管性認知症以外の認知症の早期発見につながります。

 

保険適用で、食事制限など検査前準備も不要なため、受けやすいのが特徴です。一部医療機関では認知症に特化した人間ドックでSPECT検査を取り入れているところもあり、健康診断の一環として、定期的に受けるのもおすすめです。また高齢者に認知症診断を受けようと言っても、なかなかOKしてくれないケースも。その場合でも「人間ドック」として説得がしやすいかもしれませんね。

 

認知症は早期発見で進行を遅らせることができます。そのためには早め早めの検査が必要です。