誰もがなる可能性のある認知症。最もよく知られた症状は「物忘れ」ですが、実際には認知症の種類により、非常にさまざまな障害が出てきます。

 

例えば季節感の内服を着る・昼夜がわからなくなる見当識障害。言葉が出てこない失語、上手く着替えられない・箸やハサミが使えないなどの失行、目の前のものが認識できない失認など実にさまざまです。このほか段取りができず、今までできていた料理などができなくなる実行機能障害などがあります。

 

これらは“中核症状”とされるのですが、その周辺症状と言われる「BPSD」(行動心理症状)もあります。このBPSDとは、暴力や暴言、不安や抑うつ睡眠障害、幻覚・錯覚など中核症状が進行したことに対し、周りの理解がないと不安や苛立ちにつながって症状となると言われています。

さらにBPSDとよばれるもののなかには、認知症の「よくある症状」として言われる徘徊や物盗られ妄想もあります。中核症状の影響に加え、ストレスから歩き回ったり、どこにしまったか記憶がなく見つからないことによる不安であることが要因と言われているのです。ほかにもせん妄といって意識障害により混乱してしまい、幻覚が見えたり興奮してしまったり。暴力・暴言につながることも。さらに介護拒否や、便を触って服や壁にこすりつけたりする弄便(ろうべん)など、BPSDは介護者にも大きな負担がかかります。

 

こうしたBPSD症状のある認知症の方と接する際には、想像力を働かせることが大切だそうです。なぜなら認知症であっても、本人なりの理由があっての行動。そのため、なぜその人がそういった言動になるのかを考えて関わることが重要です。また「認知症だからもう何もできない」と言う考えは誤り。本人の状態を見極めて、本人ができることは自分でしてもらうなど環境づくりに努めるといいそうです。

 

今後さらに高齢化が進み、認知症患者も増加していきます。身近な人がいつ認知症と診断されるかはわかりませんし、認知症の方とふれあう機会が多くなることは間違いありません。正しい認知症とその中核症状、BPSDへの知識を持って接することができるよう、知識を深めておきましょう。