骨を作る成分として誰もが知っている「カルシウム」。生体内に最も多く含まれるミネラルであり、私たちが生きていく上でとても大切な成分です。カルシウムが不足すると骨粗しょう症のリスクが高まるなど、体に大きな悪影響を及ぼします。またきちんと吸収するためにはビタミンDもきちんと摂取しなければなりません。

 

東京大学で行われた研究では、認知症の前段階と言える軽度認知症から、アルツハイマー型認知症へと症状が進む際の要因の一つとして、血液中のカルシウム値の低さが影響していることを突き止めています。またカルシウム不足の体は歯や骨からカルシウムを補充してしまうため、骨や歯に悪影響があるだけでなく、溶け出したカルシウムが血管、脳などにダメージを与え、脳梗塞や心筋梗塞、認知症を引き起こすとも言われているようです。

逆に、国立がん研究センターの報告では、総カルシウム摂取量が多いと脳卒中リスクが、乳製品からのカルシウム摂取量が多いと脳卒中と脳梗塞のリスクが下がるという研究報告もあります。カルシウムは骨や歯というイメージがほとんどでしたが、実は脳血管に非常に大きく関係のある成分だったのですね。

 

それではさっそくカルシウムをしっかり摂りましょう…と思っても、サプリメントに頼るのは良くないかもしれません。海外の研究で報告されたところによると、カルシウムのサプリメントを飲んでいる70歳から92歳までの女性を対象とした研究で、サプリメントを飲む人は、そうでなかった人よりも認知症進行リスクが高かったそう。さらに調べていくと、脳血管疾患発症経験のある人は、より認知症リスクが高まってしまうというのです。

 

もしかしたら日本人、外国人と被験者が違うため、このような異なる結果が出たのかもしれませんし、他に別の理由があるのかもしれませんね。でも気になってしまう人も少なくないはず。そんな人は乳製品を意識的に取り、しっかりと日光を浴びる、健康的な生活を。食生活習慣を整え「食事」と「日光浴」によるカルシウム増をめざしましょう。