バランスの良い食事、適度な運動……生活習慣病予防に通じる規則正しい生活は、認知症予防にも繋がっていきます。

とはいえ、認知症は誰もが罹患する可能性のある疾患。食事や運動に気を使っているからといって、将来は分かりません。認知症の大半は有効な治療法がないとされていますが、投薬による進行抑制が可能なタイプの認知症もあり、早期受診・早期発見が大切です。

しかし熱がある、咳が出るなど分かりやすい症状なら早期受診も可能ですが、認知症はどうでしょうか。実際、加齢とともに物忘れなどが頻発しても「もう年だから」と言ってそのままにするケースがほとんどではないでしょうか。多くの方が認知症を恐れているにもかかわらず、です。

そこでオススメなのが、専門家以外でも認知症発症リスクを特定し、その人の生活習慣に関わる認知症リスクを低下させる「認知症のリスク評価スコア」です。京都大学大学院医学研究科などの研究により開発され、2018年に発表されました。

この参考指標である認知症のリスク評価スコアは、基本チェックリスト項目の質問と、空腹時血糖やBMIなどの検診データを用います。7万人以上の高齢者を約4年間追跡し、認知症が発症しているかどうかを分析して開発されたもので、専門家でなくとも簡単に計算しその発症リスクを知ることができます。

まだあまり知られてはいませんが、徐々に広がりつつあります。このほど兵庫県がこのリスク評価スコア等を記載したパンフレットを新たに作成。一般市民向けに分かりやすいツールとなってホームページ等で公開されています。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf29/documents/ninchicheck.pdf

そのなかには兵庫県版チェックシートと認知症リスク評価スコアが用意されています。チェックシートは「チェック項目の合計点数○点以上は認知機能や社会生活に支障が出ています」と医療機関受診の目安を伝えてくれるもの。リスク評価スコアは4年以内の罹患リスクを数値化し、予防を呼びかけています。

心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因とも言われる糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病。これまでお伝えしてきた通り、血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症にも深く関わる疾患です。

 

バランスの良い食生活や適度な運動、規則正しい生活はもちろんですが、近年は「歯の健康」も生活習慣病に深く関わると言われています。特に糖尿病の合併症として認知されはじめている歯周病は、逆に歯周病をコントロールすることで糖尿病の状態も安定させることが示唆されています。

当たり前ですが人間は、心臓・肺・胃・食道などがそれぞれ独立しているわけではありません。直接つながっていなくても、血液を通して全身を巡っています。ですから虫歯や歯周病を引き起こす菌がその血液に乗って全身に広がってしまうんです。

「Floss or Die」という言葉がアメリカでは1990年代後半で発信されました。これは「フロスしますか、それとも死にますか」という過激なフレーズですが、それほど歯は全身の健康にとって大切なものです。歯の定期検診の目安は3ヶ月~6ヶ月に1回程度と言われています。「認知症はまだまだ大丈夫!」「運動も食生活も気を使っているので問題ない」という方も、歯の健康について再度考えてみてくださいね。

 

早期発見・早期受診が大切な認知症。誰もが罹患する可能性のあるものですから、きちんと“自分事”として認識することが重要です。そのためにも、ぜひリスク評価スコアを活用してください。