水素ガス吸入療法は、2016年12月より、「先進医療B」に認定されています。これまで何度もお伝えしてきた通り、水素ガス吸引療法は突然の心停止等で脳などの臓器に深刻なダメージを受けた心停止後症候群の患者に対して行われる治療法。従来の低体温療法に加えて水素ガスを吸入することで、酸素不足による脳の損傷を軽減するというもの。この心停止後症候群の後遺症が心配される状況から、一人でも多くの方の社会復帰を助ける医療です。大型機器も不要なため、医療機関の大小に限らず提供できる効果的な治療法として期待が高まっています。

「先進医療」と言えば、一般の人たちの間では医療保険などの特約として見聞きすることが多いのではないでしょうか。例えば、がんなどで診察や検査、投薬治療や入院費など一般の治療と同じ部分は健康保険(公的保険)が適用されますが、先進医療の技術料は全額自己負担となります。その点を保険でカバーしてくれるのが「先進医療特約」です。その種類をいくつか調べましたが、上限金額は通算2000万円と設定されている保険がほとんど。例えば、重粒子線治療を受けると健康保険が適用されず、自己負担となる技術料はなんと300万円超と言われています。高額な最新医療を諦めずに行うために医療保険の特約として用意されているのです。

では、どのようなものが「先進医療」と定義されるのでしょうか。厚生労働省による、「先進医療」の概要は以下の通りです。

 

<先進医療A>

1.未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く)

2.以下のような医療技術であって、当該検査薬等の使用による人体への影響が極めて小さいもの

(1)未承認等の体外診断薬の使用又は体外診断薬の適応外使用を伴う医療技術

(2)未承認等の検査薬の使用又は検査薬の適応外使用を伴う医療技術

 

<先進医療B>

3.未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴う医療技術(2に掲げるものを除く)

4.未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの。

 

健康・美容に期待されてきた「水素」は、市場が拡大するにつれてその有効性を疑問視する声も根強くありました。しかし水素ガス吸入療法が「先進医療B」として認められたことで、再度注目を集めるようになったのです。現在、「先進医療B」として認められた水素ガス吸入療法は、慶応大学病院ほか全国複数の医療機関で取り組まれています。今後その効果や安全性が認められ、「先進医療」から、保険診療への導入が期待されているのです。

 

 

厚生労働省「先進医療制度の概要」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l723-att/2r9852000002l77h.pdf