酵素はよく聞く言葉ですね。では一体それが何か、ご存知ですか? 案外、そう言われるとよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。酵素は、すべての植物、動物、人間の、すべての細胞に存在しているたんぱく質の結合体です。

 

すこし趣が変わりますが、周りを見渡してみてください。春になったら草が生え、花が咲いて、夏には葉が生い茂り、実ができて、秋になれば紅葉し、落葉します。地面に落ちた葉っぱは分解されて、最終的には土へと還っていきます。実はこのすべての現象が酵素の働きによるものなのです。

人間の体内でも同じようなことが日々行われています。食べた食べ物を吸収に適した小さな分子に分解して、細胞のエネルギーに変えて、さらに新しい細胞が生み出されていくというサイクルが起きています。

 

例えば鶏肉や魚を食べたとしましょう。まずそれをたんぱく質に変えなくてはなりません。それからそのたんぱく質をアミノ酸に変える必要があります。さらにそのアミノ酸から、骨や筋肉、血管の各細胞を作っていくわけですが、そのすべての作業に酵素が必要になります。

 

それでは酵素にはどのようなものがあるのでしょうか。人間の体内で作られる酵素には大きく分けて二種類があります。それは消化酵素と代謝酵素です。

 

消化酵素は消化器官によって、消化のために作られる酵素です。食べ物から必須ビタミンやミネラル分、たんぱく質、脂肪、糖質など生きていくために必要な栄養素を吸収するためには、消化酵素の働きが欠かせません。

一方の代謝酵素は、すべての細胞が機能(活動)するために必要になります。代謝酵素によって、体内で起こる生物化学反応が可能になっているのです。代謝酵素は体内の浄化作用のほか、細胞内のエネルギー生成にも関わっています。すべての器官、組織、細胞は、自らに必要な代謝酵素を自ら合成しています。

さて、消化酵素について考えてみましょう。もちろん消化酵素は食べ物自体にも含まれています。ただし、生の食材に限ります。果実、野菜、魚、肉には、それぞれの食物を分解、消化するのに必要な酵素が含まれています。しかし、不規則な生活、ストレス、ネガティブな感情、服薬などによって、体内の酵素は破壊されてしまいます。

 

体内の酵素が足りなくなってしまうと、食物を消化することが不十分になります。そうすると、食べた食物から効率的に栄養素を吸収することができません。また消化しきれなかった食物は、体内で腐敗していくことになり、腸内環境が乱れることになります。

 

さらに消化されない食物が増えると、それを処理するために本来必要でなかったエネルギーが必要になりますから、食べる量も結果的に増えてしまい、肥満につながることもあります。

 

必要な酵素の量を確保するため、毎日の食事の半分以上は生の食材にすべきと推奨している栄養関係者もいますが、それが難しい場合にはサプリメントなどで補給するのもいいかもしれません。