カビとアトピーとの関係といわれると意外に思う方もおられるかもしれません。いままで肌のバリア機能や保湿などを中心にお話してきましたが、そのなかでアレルゲン、つまりアレルギー反応を引き起こす物質が、食品のなかにも、大気中にも、生活のありとあらゆるところにあふれていることに触れたと思います。そして、カビもそのようなアレルゲンの一つだといえます。

そもそもカビというものはなんでしょうか。人間にとっていいものなのか、わるいものなのか、その両面をもっている存在なので、なかなか一概にとらえようのない存在です。例えば、好き嫌いがあるかもしれませんがブルーチーズやカマンベールチーズは

青かびを使って発酵させた代表的な食品です。さらに日本人にとって欠かせない醤油や味噌、清酒、かつお節などは麹かびを使って作られた伝統食品です。このようなカビの作用は食品をおいしくしてくれるいい側面だと言えます。

 

しかしその一方で、水回りが黒くなったり白くなったりして汚いイメージもかびにはあります。お風呂などには赤いカビもみられます。有名な落語の演題で「ちりとてちん」というのがありますが、この中に出てくる「カラフルになった豆腐」も、つまりはカビだらけになった豆腐ということですね(カビにはいろんな色があり、種類があるということの例です!)。この身の周りのカビ、実はダニの餌にもなります。ダニは家のなかには数百万~数億匹いると言われており、近年は、住宅環境の密閉化やエアコンの普及などでますますカビが繁殖するための環境が整い、カビの数は増えていると言われています。つまりそれだけダニの餌も豊富になっていると言えるでしょう。この住環境におけるカビの発生と、その見直しによるアトピー症状の改善については次回のブログで詳しく見ていきたいと思います。