糖尿病は、深刻な合併症に至る前に早期発見・早期治療が必要です。もちろん早期に発見し治療するとが必要なのは糖尿病に限ったことではありませんが、糖尿病をはじめとする生活習慣病はある日突然、表に出てくるものではありません。定期的な健康診断によって自身の体を把握し、血糖コントロールができれば、糖尿病合併症を遠ざけることができるのです。

高い血糖値が続くと糖尿病と診断されますが、具体的には血液検査時の血糖値およびHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値で判断されます。

健康診断を受けると、その検査項目にある「HbA1c」。糖尿病関連のお話になるとよく登場するHbA1cとは、いったいなんでしょうか。

HbA1cは糖化ヘモグロビンの一種で、酸素を運ぶ赤血球中の色素であるヘモグロビンが血液中のぶどう糖(血糖)と結びつき、「グリコヘモグロビン」と呼ばれます。その一つが糖尿病の検査マーカーに用いられるHbA1cです。

ヘモグロビンと血糖は一度結合すると離れないという特性があり、赤血球の寿命である約120日間、ずっと結合したままです。そのため検査での測定値は、採血時からさかのぼって過去30~60日の血糖コントロール状態を反映すると考えられています。さらにHbA1cは血中に余分なぶどう糖があると増加し蓄積されていきますが、血糖値とは違って食事や運動の影響を受けにくいのが特長で、糖尿病の診断だけでなく経過観察にも用いられます。

 

ほとんどのケースで、突然に血糖値が高くなるのではなく、時間をかけて徐々に正常値内から糖尿病域へと悪化していきます。

その基準は

・10時間以上絶食後の早朝空腹時血糖値126mg/dL以上

・HbA1cが6.5%以上

上記のどちらかを満たせば糖尿病の疑い、同日または別日にこの2つが満たされる場合は糖尿病と診断されます。

皆さんは「健康診断前に生活を改善した」ことはありませんか?よく聞くのが健康診断前ダイエット。何もしないよりもマシですが、健診1~2週間前だけ食生活に気を付けている人がかなりいるはずです。健康診断前に慌ててウォーキングを始めて、健康診断期が終わって止めたという話も聞いたことがあります。

確かに見た目の体重が減少し、メタボ境界域の人は医師から指摘を受けることがなくなって、「1年を乗り越えた!」と思えるかもしれません。ところが、検査項目にある「HbA1c」は過去1~2ヶ月の血糖コントロールを示しているのです。やはり日々の心がけが重要なのですね。

学生時代の期末テストなら、付け焼刃的な知識でもなんとかなったかもしれません。が、健康はそうはいかないのです。それをHbA1cが教えてくれているのかもしれませんね(笑)。これまでの生活習慣のすべてを変えることは難しくても、ご自身の大切な人を思い浮かべながら、悪習慣を一つ止めることから始めてみましょう。