サイトカインと言われてもピンとこない方が多いと思います。それもそのはず、サイトカインは比較的新しい研究分野で、まだまだ解明途上にあるからです。それでも、アレルギーとの関連性については指摘されているところですので、今回は、アレルギーとサイトカインについて見てみることにしましょう。

免疫システムにおいては、たくさんの細胞が相互作用していますが、このやり取りは細胞同士が直接連絡しあうこともありますし、今回お話するサイトカインと呼ばれる物質を通して連絡を取り合うこともあります。つまり、サイトカインとは簡単にいえば、細胞同士がコミュニケーションをとる手段であり媒体であるということができるでしょう。

免疫システムのなかで中心的な役割を果たしているのが、リンパ球であり、ヘルパーT細胞と呼ばれるものが知られています。そしてヘルパーT細胞が抗原と接触することによってTh2細胞というものに分化し、これがアレルギー反応特有の過剰反応を引き起こす原因になると考えられています。

Th2があるということは、Th1もあります。2があれば、当然1があるわけですが、そう考えると、0というのもあるのではないか、と思われた方はするどいですね。ヘルパーT細胞には、抗原と接したことのないナイープT細胞というものがあります。これがTh1細胞やTh2細胞に分化していくわけです。

Th1細胞というのは、免疫システムの中でも、細胞内に侵入・寄生する病原体を排除するための役割を果たしています。そして、ナイープT細胞からTh1細胞に分化するためには、病原体に特有の性質を感知することが必要なのですが、この性質を感知するために「レセプター(受容体)」というものが働きます。サイトカインがコミュニケーションにおけるアウトプットだとするならば、レセプターはインプットの役割を果たします。サイトカインはインターロイキンなどを「産生」するので、表現でいえば口の役割ですが、レセプターは様々な特性を「受容」するので、耳の役割を果たしているともいえそうです。ナイープT細胞は、受容体が病原体の特性を感知することによって、それに応じてTh1細胞へと分化するのです。

一方、ナイープT細胞からTh2細胞に分化する過程についてはあまり知られていません。しかし、分化する過程において、「出会い」が必要であることは、Th1細胞と同じです。つまり、Th2細胞は、病原体ではなく、花粉やハウスダストに反応することで知られているのですが、ナイーブT細胞が花粉やハウスダストなど、病原体ではない外部物質と遭遇することで、それらに特化して反応するようなTh2細胞に分化していくのです。

 

このTh2細胞は、花粉などと出会うと、インターロイキンなどのサイトカインを産生・放出します。そしてこのサイトカインがアレルギー反応を引き起こすことが分かってきていると言われています。具体的には、このTh2細胞からサイトカインの産生を阻害するという治療薬もあります。