アレルギーの経皮吸収と言えば、このブログでも以前に、ピーナッツオイルのお話をしました。つまり、皮膚のアトピー症状に対して塗布していた成分にピーナッツオイルが含まれていた結果、食物としてのピーナッツに対してもアレルギー症状がみられるようになった、というものです。アトピー患者さん、特に子供の例においては、よく食物アレルギーとの関連が取りざたされていますが、この経皮吸収というアレルギー経路で説明される通り、最初から食物アレルギーがあったのか、それともあくまでも治療の過程のなかで食物アレルギーを発症したのか、というのは、単純に片づけられる問題ではありません。

さて、どうして皮膚を通じてアレルギー反応が起こるのでしょうか。皮膚というと一言ですが、実は何層もの構造を持っています。その一番表面、外側にあるのが、表皮という層です。この表皮にはランゲルハンス細胞という、抗原提示細胞が存在しています。抗原提示細胞とは、外から入ってくる異物を感知して、記憶して、次回からの侵入の際にはそれを攻撃できるように準備をする細胞です。ですから、表皮においてこのランゲルハンス細胞に記憶された物質については、次回からアレルギー反応をするように免疫システムが整えられてしまいます。免疫システムは身体全体という単位で動いており、その異物が表皮からであろうと、口からであろうと、鼻からであろうと、目からであろうと関係なく、アレルギー反応を起こすようになります。

経皮吸収を分かりやすく示しているのが、2018年1月に製造販売が承認された、アレサガテープという医薬品です。これはアレルギー性鼻炎に対する経皮吸収型の製剤として世界初のものです。経皮吸収、というメカニズムが存在しないと、このような薬は考えられないわけです。

ところで、経皮吸収型のお薬にはどんなメリットがあるのでしょうか。例えば、食事のタイミングに左右されることなく摂取できます。よく「薬を飲むためになにか食べないといけない」とかいう状況がありますね、そのようなことがなくなるわけです。あと、高齢者になって嚥下困難な場合にも、経皮吸収型であれば安全ですし、また周りの介護者からみても、ちゃんと薬を摂取したかどうかが簡単に管理、確認できますね。

以前このブログでも、アトピー協会が認定しているタオルについて触れたことがあります。この経皮吸収の仕組みがよく分かれば、タオルというものもいかに丁寧に選ぶべきかというのが分かります。バスタオルなどは全身を拭くためのものですから、特に気をつけたいですね。