紫外線というと単純に怖いイメージがあります。天気予報でも紫外線の量が発表されるようになりましたが、多くの人が紫外線を警戒していることの表れでもあるでしょう。一方で太陽の光、日光というとどうでしょう。一転してよいイメージがあるのではないでしょうか。洗濯物を干すにもよく晴れた日にしっかりと乾いてくれると気持ちがいいですね。シーツや布団を外で干すと、寝るときに太陽の香りがして心地がよくないですか。この日光の力、よく考えてみると紫外線の力です。紫外線は私たちの生活に役に立っていることも案外多いのです。食品分野でも紫外線殺菌が不可欠なものとなっています。

さて、そのように私たちの生活に実は役立っていることも多い紫外線ですが、なぜ一方で怖いイメージを持たれているのでしょう。これはなんといっても皮膚への影響が第一だと思います。シミができるとか、皮膚ガンになるとか、そういう不安が紫外線を怖いものにしてしまっているのでしょう。実際、オゾン層の破壊により、紫外線のなかでも皮膚ガンの原因とされる短い波長のものが地表により多く降り注ぐようになったと言われています。ただし、オゾン層については回復しているという見方もあり、はっきりとしたことはわかりません。

ここで紫外線とアトピー性皮膚炎との関係について考えてみましょう。大方の見方では、意外なことに、紫外線とアトピー性皮膚炎との相性は悪くないと言われています。紫外線のなかでも長い波長であるUVAや中ぐらいの波長であるUVBを利用した、いわいる「紫外線療法」と呼ばれるものも存在するほどです(療法については医師によって考えが違いますから、活用を考える場合には必ずかかりつけ医に相談してみましょう)。アトピー性皮膚炎では、免疫反応が過剰になってかゆみなどが引き起こされますが、これを抑えるためにステロイド剤が使われたりします。ステロイド剤を使いたくない人などには、この紫外線療法、つまり紫外線の免疫抑制効果を使った方法があるようです。

もちろん、個々人によって事情は様々であり、なかには光線過敏症などがある場合もあります。ですから紫外線療法があるからといって、「さっそく外で日焼けしてみよう」というのは拙速かもしれません。アトピー性皮膚炎の場合には、日光による温熱効果が負の影響を与えることもあります。今回は、アトピー性皮膚炎と紫外線が必ずしも相性が悪いわけではないこと、を指摘するだけにとどめることにしましょう。