最近のコラム
- 2024年11月30日コラム年末年始の過ごし方とタキシフォリン
- 2024年10月29日コラム糖質のつきあい方とタキシフォリン
- 2024年9月30日コラム立ちくらみとタキシフォリン
- 2024年8月30日コラムスポーツとタキシフォリン
- 2024年7月30日コラム夏のヘアケアとタキシフォリン
最近の文献情報
- 2024年11月26日(vitro/vivo) メラノーマ(悪性黒色腫)に対する抗腫瘍効果(2024.Jan)
- 2024年11月5日(vivo) クロザピン誘発性心筋障害に対する保護効果(2023.Sep)
- 2024年10月8日(review)がん治療の可能性(2024,Oct)
- 2024年9月24日(vitro)抗酸化、抗炎症作用による妊娠の悪影響の防止効果(2024.Jun)
- 2024年8月6日(vivo)うつ病治療の可能性(2024.Mar)
ヒトは血管ととともに老いる
これは米国の内科医ウィリアム・オスラー博士※の言葉です。過食や運動不足、喫煙など、不健康な生活習慣を続けると、血管の老化を加速させ、動脈硬化を招いてしまいます。
動脈硬化が進行すると血管が硬くなったり、脂質が溜まってつまったり、破れやすくなったりして、やがては心筋梗塞や脳梗塞などの血管病といわれる大きな病気につながります。
しかし、動脈硬化によって血液の通り道である血管の内腔が狭くなっても、完全に塞がれない限り血液は流れます。一方で、毛細血管は年齢と共に減っていき、ゴースト化すると細くなり血液が流れにくくなってしまいます。
ゴースト血管が増えると、身体中の細胞が栄養・酸素不足になります。それによって細胞の修復が遅くなることで、組織や臓器の機能が低下しやすくなり、全身に様々な症状や病気を引き起こすことにつながります。
ですから、これらの病気を未然に防ぐために、日ごろから血管のケアを行うとともに、生活習慣の改善に努めることが大切です。
※医学教育の基礎を築いた人物として知られ、『The Principles and Practice of Medicine』(医学の原理と実際)など多くの名著を残しました。
トータル・ベッセル・ケア ® (Total Vessel Care :TVC)
脳梗塞、心筋梗塞、がん、認知症、糖尿病、歯周病、アレルギーなどの疾患や、腸内環境、高血圧、冷え、こり、だるさなどの症状と深い関係のある血管を未病段階で健康に保つための「素材」や「情報」の提供を通じて人びとの健康生活に貢献していくという概念です。
毛細血管のゴースト化が招く体の不調と病気
毛細血管のゴースト化がすすむと、周辺の組織細胞に酸素と栄養素が届かなくなり、臓器や組織の機能が低下していきます。
「髪の毛が抜ける、白髪が増える」「頭痛やめまいがする」「シミやしわが気になる」「手足のむくみや冷えがある」「爪がもろくなる、肌が荒れる」「不安に襲われることがある」などの症状につながり、やがてさまざまな病気を引き起こすことがあります。
ですから、毛細血管のゴースト化は万病のもとであり、あなどってはいけないのです。
毛細血管のゴースト化のメカニズム
毛細血管のゴースト化は、血管内皮細胞の障害により、血管内腔の血液が漏れ出し、周囲の組織に滲み出し、血流が流れにくくなりやがて消えてしまう状態をいいます。
毛細血管はからだの各組織の細胞に酸素や栄養を届けて、二酸化炭素や老廃物を回収するため、血管壁はもろい一層構造となっており、その周囲にペリサイトと呼ばれる壁細胞が貼りついて筒状の形状を保っています。壁細胞は、内皮細胞同士の接着を強めて血管構造を安定化することで、血管内から細胞外に血漿成分が漏れ出すこと防ぐ働きを持っていますが、毛細血管のゴースト化によって、毛細血管内皮細胞が壊れてしまうため、壁細胞が毛細血管を修復することが困難になります。
壁細胞に覆われた毛細血管は、45歳ころから減り始め、60歳では4割になるという報告があるように、早い段階からの対策が必要です。(右図参照)
タキシフォリンによる血管ケアのアプローチ
1920年代にアメリカで誕生したファストフードの文化は今や世界中で席巻しており、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の現代社会においては、なくてはならない食習慣となりました。
ファストフードには、小麦粉やトランス脂肪酸を含んだ食品が多くあり、糖化食ともいえるファストフードは、毛細血管のゴースト化を引き起こす一つの要因でもあるのです。
70歳まで当たり前に働く社会の到来により未病段階からの健康対策が必要となりつつあります。その中で、糖化の原因となる糖質のとり過ぎを避けたり、抗酸化成分を含む食品を意識してとる、有酸素運動をする等、「酸化」と「糖化」から毛細血管を守ることがますます重要になってきます。
血管の外側から守る
糖化とは、食事によって取り過ぎた糖質がブドウ糖として血中に残り、そのブドウ糖とたんぱく質が結びついて細胞を壊してしまう現象をいいます。このときに過剰なブドウ糖とたんぱく質が結びついてできる糖質をAGE(終末糖化産物)といいますが、このAGEは動脈や毛細血管の内皮細胞を傷つけるだけでなく、毛細血管に貼り付いている壁細胞も攻撃します。
また、糖化進んでいる体内では酸化も引き起こされおり、体内で活性酸素が過剰に発生することで組織細胞の老化を進行させますが、壁細胞は活性酸素に弱いために、毛細血管のゴースト化が促進されます。
タキシフォリンは、抗酸化および抗糖化作用により血管を保護し、毛細血管を老化(ゴースト化)するのを防ぎます。
血管の内側から守る
加齢や喫煙、飲酒、運動不足、食べ過ぎにより、血管が収縮する、血液ドロドロ、糖質の増加、脂質の蓄積する、血液成分の漏出、などにされされることにより血液の流れが悪くなり、毛細血管は内側から劣化していきます。
タキシフォリンは、血管壁の透過性の改善、血液粘稠度の改善、糖代謝の改善、脂質代謝の改善等の作用により、血流を改善することで、毛細血管を老化(ゴースト化)するのを防ぎます。
本サイトの監修について
監修者 佐藤 均 先生
昭和大学薬学部教授。薬学博士・薬剤師。1959年生まれ。東京大学薬学系研究科(製剤学教室)修士課程修了後、金沢大学薬学部助手、富山医科薬科大学付属病院薬剤部助手、アメリカ国立衛生研究所(NIH)・国立ガン研究所(NCI)奨励研究員、スイス・バーゼル研究所(Sandoz Pharma)客員研究員を経て、東京大学医学部助教授となる。
2000 年から昭和大学薬学部教授(臨床分子薬品学教室)。現在は同大学の薬物療法学講座薬物動態学部門を担う。生理活性物質の医薬品への応用や健康素材の新規開発を目指して、医療薬学分野の基礎と臨床の研究に取り組んでいる。