タキシフォリンの研究

タキシフォリンは、国内外で研究が数多くされているポリフェノールの一種で医学・生物学系の学術データベース「MEDLINE」によると、1000論文以上が掲載されています。

これまでタキシフォリンに関して様々な研究が行われ、抗酸化、抗糖化、抗炎症、抗菌、抗血管新生、血糖上昇抑制、遺伝毒性、ガン、アルツハイマー病、乾癬、高尿酸血症、肺疾患、糖尿病、心疾患、動脈硬化症などの疾病に対する阻害作用など、数多くの薬理学的特性が報告されています。
タキシフォリンの主な作用は、炎症反応、酸化ストレス、血管壁の保護に関連しています。タキシフォリンの構造活性相関 から、タキシフォリンの構造的配向により、その抗酸化効果に対応するフリーラジカルを除去できることが明確に定義されています1)

海外では原産国であるロシアでは心血管疾患の予防治療などに使用されているほか、タキシフォリンは伝統的な漢方薬であるFPO(FRUCTUS POLYGONI ORIENTALIS:タデの乾燥した成熟した果実)に豊富に含まれており、中国で多くの病気の治療に広く使用され、中国薬局方 2015 年版に FPOの品質の指標として記載されています2)3)
そのほか、Legalon™、Pycnogenol®、Venoruton® などの多くの海外のハーブ製剤には タキシフォリンが含まれていることがわかっており、他の抗酸化フラボノイドと比較して、タキシフォリンは化学予防剤として優れた活性を示すことが報告されています4)5)

  1. Abhijit Das,et al.,Biomedicine & Pharmacotherapy, 142, October 2021
  2. F.Topal,et al.,Enzyme Inhib. Med. Chem., 31 (2016), pp. 674-68315.
  3. H. Kuang,et al.,Int.J.Mol. Sci., 18 (2017), pp. 1-14
  4. .C. Sunil,et al.,Phytochem., 166 (2019), Article 112066
  5. P.S. Makena, et al.,Environ. Mol. Mutagen., 50 (2009), pp. 451-459

タキシフォリンの原産地であるロシア(旧ソ連)において数多くの研究が行われて同国内で発表されていますが、これらの研究や試験に関する情報はロシア語のみで存在しているものがほとんどで、英語に翻訳されていません。
タキシフォリンに関する研究(英文のみ)はロビオス社のホームページの「HUMAN HEALTH)」に掲載されています。
https://russiantaxifolin.com/en/food-industry/
※ページ内の「Taxifolin and Human Health (Studies in English)」から研究論文の内容が確認できます。

 

タキシフォリンの関連文献

タキシフォリンに関連する論文を紹介しています。「概要和文」の内容は、ABSTRACTをもとに研究の背景、目的、結果、結論および疾病応用などについての可能性について訳文(自動翻訳)に一部コメントを追記しています。

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分類 対象 論文発表 期待される有用性 概要和文 原著論文
肝疾患 in vivo 2023.Jan 肥満および肝臓がんの抑制
in vitro 2020. Oct 鉄過剰症による肝細胞障害の改善
in vivo 2018. Dec 農薬(ロテノン)誘発による肝細胞損傷の保護作用
in vivo 2017. Oct 急性肝障害の保護効果
皮膚疾患 in vitro  2020. Mar 乾癬様皮膚炎の軽減
肺疾患 in vivo 2020. Oc 急性肺損傷の軽減
脳疾患 in vivo 2022. May パーキンソニズムの改善
in vitro 2019. Apr 神経細胞の保護効果
in vivo 2006. Jan 脳虚血再灌流障害の改善
認知症/認知機能 in vitro 2016. Dec シロスタゾールとの併用によるβ-アミロイドの蓄積と神経毒性の低下作用
ヒト 2023.Apr 脳活動、精神疲労、全血トランスクリプトーム※への影響
ヒト 2023.Apr 軽度認知障害または軽度認知症患者の認知機能維持
in vivo 2018. Aug β-アミロイドが誘発するシナプス形成の障害と記憶の障害の予防効果
in vivo 2017. Apr 脳のアミロイド血管症における認知機能の改善
糖尿病 in vitro 2023.Jun 糖尿病による認知症リスクの低減へ効果的に寄与する
in vivo 2022. Apr 高血糖に伴う神経障害および神経障害性疼痛に対する効果
in vitro 2020.May 消化酵素(α-グルコシダーゼ、α-アミラーゼ、膵臓リパーゼ)に対する阻害効果
in vivo 2019. Sep 糖尿病網膜症の効果
in vivo 2019. Jan 食後高血糖の上昇抑制
in vivo 2018. Apr 糖尿病性腎症の緩和
in vitro 2017. Sep 強力な11β-HSD2阻害剤の可能性がある
in vivo 2014. Jan 糖尿病性心筋症の予防効果
in vivo  2018. Ma 糖尿病性腎症に対する腎臓保護効果
生殖器疾患 in vivo 2020. Aug 精巣毒性の軽減
in vivo 2018. Mar 精巣アンドロゲン生合成酵素の抑制
腎疾患 in vivo 2021. Jul 酸化促進性および炎症性腎障害に対する保護効果
in vivo 2020. Dec 腎臓の糖代謝/水-塩代謝障害の改善
in vitro/in vivo 2020. Apr 腎線維化の保護
心血管疾患 in vitro/in vivo 2023.Apr 腹部大動脈瘤の改善効果 〇 
in vivo 2022. Mar ビタミンC配合による心筋保護作用
in vivo 2022. Jan 虚血再灌流障害に対する効果
in vivo 2021. Dec 虚血・再灌流誘発酸化障害に対する効果
in vivo 2019. Jan 心筋虚血/再灌流障害の保護
in vitro 2015.Sep 心臓肥大の抑制効果
高血圧 in vivo 2017. May 動脈高血圧症における微小血管新生と微小循環の改善
消化器疾患 in vivo 2022.Mar 潰瘍性大腸炎の緩和作用
in vitro 2021.Apr 胃潰瘍の治療効果
in vivo 2021. Nov 大腸炎の症状軽減
in vivo 2021. Feb 腸内細菌叢の調節作用
がん review 2021. Oct 癌治療としてのタキシフォリンの使用における最近のブレークスルーと作用機序の概要薬理学的根拠
in vivo 2021. Aug 多形性膠芽腫の発症抑制
in vivo 2018. Jan 乳がん発生の阻害
in vtro/in vivo 2015. Sep 抗血管新生効果の評価
in vitro  2019. Sep 乳がん細胞の増殖、遊走、浸潤の阻害
歯周病 in vivo 2022. Ma 歯周炎における歯槽骨損失の治療に対する有用性
in vitro 2022. Jun 歯周病に対する有用性
in vitro 2021 Jan-Dec 歯髄幹細胞の保護効果
in vivo 2020. Sep 歯周炎に対する効果
抗炎症 review 2021. Aug COVID-19に関する有用性
in vitro 2019. Jun アレルギー性炎症反応に対する阻害効果
in vitro 2017. Sep アポトーシス(細胞死)の減少効果