新型コロナとタキシフォリン
2020年のはじめに中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症は、春先から日本でも拡大がすすみ、私たちの生活は大きく様変わりしてしまいました。
コロナ禍は飲食やイベント、観光などで働く人々の生活に大きな影響を与えていますが、感染リスクの高い高齢の家族を介護する人たちにとっても非常に厳しいとお聞きします。介護者を支援する団体には、「自分自身が感染したときどうすればいいのか、誰が介護してくれるのか」と悩む自宅で親の介護をしている娘さん、また、「施設に入所している奥様に面会できなくて辛い」という高齢者の男性、「外出できず認知症の症状がすすんでこのままだとどうなるのか」と悩む息子さん、等、様々な訴えが、電話や介護者サロンに寄せられているそうです。
認知症の家族を介護している人は新型コロナウィルスに感染した場合に重症化するリスクが最も高い人をケアしているわけで、その心理的負担はとても大きいことは言うまでもありません。そのことは、同年の8月に新型コロナウイルス感染症の拡大により、認知症の人の症状悪化と家族の介護負担増の実態が日本老年医学会と広島大学が行ったアンケート調査で明らかになりました。
また、大阪大学が2020年4月7日の緊急事態宣言発令直後から約2週間かけて実施された調査や国際アルツハイマー病協会のホームページでも、認知症本人以上に介護者へのサポートが重要であることが伝えられています。(Alzeheimer’s Disease International ADI offers advice and support during COVID-19)
日々の生活に忙殺され、不安や悩みを抱えている方への相談については、地域包括支援センターのほかに、各地区にある介護者の会などでも対応できるようです。
<家族介護者支援団体に関する情報>
一般社団法人日本ケアラー連盟 https://carersjapan.jimdofree.com/
介護者が感染したときの 「引き継ぎ書」「ケアラーのバトン」(緊急引継ぎシート)を公開しています
NPO 法人介護者サポートネットワークセンターアラジン http://arajin-care.net/
介護者を支援するため、介護者サロンや電話相談等を実施している
NPO 法人パオッコ http://paokko.org/
遠距離介護を行う家族介護者を支援するため、情報提供やサロンの開催等を行っている
(厚生労働省、家族介護者支援マニュアルより)
厚労省では2020年の9月にウェブ上に新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を図りつつ、居宅においても健康を維持するため、そして安心して通いの場の活動を再開するために必要な情報を発信する特設webサイト「通いの場」を公開しています。
関連するタキシフォリンのはたらき
タキシフォリンの新型コロナウイルスに対する有用性が、海外の研究機関で相次いで報告されています。
スイス・バーゼル大学は今年3月、COVID-19の創薬手法として、6億8,700万種以上の化合物ライブラリーを用い、新型コロナウイルスのメインプロテアーゼ阻害効果をin silicoで研究した結果、12種類の化合物が選びだされたが、天然物としては唯一、タキシフォリンだけがコロナウイルスの増殖を阻害する構造として見出された.
Mbarka Bchetnia,et al,.J Infect Public Health. 2020 Nov;13(11):1601-1610.
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