老害とタキシフォリン

最近メディアで「老害」という文字を目にします。高齢になると気になる言葉ですし、言われると気分のいいものではありません。これは、政治に限らずいろんな分野の高齢の男性の失言から出ているものですが、私たちの日常の中でも、スーパーや飲食店、人が集まる場所でも相手に対して「切れる」「暴言を吐く」といった光景を見かけることがあります。
これらの現象を「老害」と揶揄して、“困ったひと”としてレッテルを貼っているように見えます。
しかしながら、この老害と言われている行動の原因のひとつが実は前頭葉機能の低下にあることがわかっています。前頭葉は社会脳との言われ人間らしさを保つ司令塔の役割を担っていますが、3歳から15歳くらいにかけて成熟し、早い人は40歳ころから低下をはじめ、60歳くらいになると明らかな機能低下が起きることがわかっています1)2)
機能低下すると、忘れっぽくなるだけでなく、不注意、頑固、怒りっぽい、我慢できない、だらしない、ということが日常の中で少しずつ表出されます。
前述の失言についても、新しい情報を覚えたり、必要な情報を引き出したりすることも少しずつできなくなるため、長い人生の中で刷り込まれた知識や考え方が、今の時代は言ってはいけないとわかっていても、話しているうちについつい出てしまう現象なのです。

1.Raz, N. , Handbook of aging and cognition, 1-90, 2000.
2.Smith, E.E., & Jonides, J , Science, 283,1657-1661, 1999

では、前頭葉の衰えはどのような対策をすればいいのでしょうか。まずは前頭葉を使うような生活をすることが大切です。ルーティン的な行動では活性化しずらいので、毎日同じようなことを繰り返すのではなく、新しいことにチャレンジしたり、いろんなところに出かけて人の会話をすることが、活性化されると言われています。男性より女性のほうが衰えが緩やかなのも、人との交流が多いのが要因のひとつではないでしょうか。
これから始めようという人は、ストレスにならないよう、普段作らないような料理に挑戦してみたり、集まりでは積極的に会話をしたり、いまの生活スタイルに少しプラスすることでできることからチャレンジするのがいいと思います。

関連するタキシフォリンのはたらき

ヒトを対象とした使用例でやる気・不機嫌がなくなる・よくしゃべる・落ち着く・易怒が減った・よく笑う・わがままが減った、等の前頭葉機能の改善1)、興奮が収まって冷静になるなどの陽性症状の改善2)の報告があります。

  1. 河野和彦,「タキシフォリンの改善者26例の分析より」,2021
  2. 松嶋大,「美健外来による健康増進・アンチエイジング~サプリメントを中心に~」,第22回抗加齢学会ランチョンセミナー,2022.6.18