現代食とタキシフォリン①「粉もん文化とのつき合い方は」
最近、「タイパ」という言葉をメディア等で目や耳にすることが増えています。これは「タイムパフォーマンス」の略で、効率のよい時間の活用を意味しますが、「時は金なり」が現代風に進化しているように感じますね。
タイパという現象は、現代食の日常にも表れており、まさにファストフードはその典型です。ファストフードの中心的な役割を果たしているのが小麦粉を原料とした素材です。小麦粉を材料にしたメニューはハンバーガーを代表に、大阪名物のたこ焼き、お好み焼きはもちろん、焼きそば、うどん、ラーメン、ピザパスタと戦後日本の「粉もん文化」として根付いています。
一方で、小麦粉の身体への悪影響を取り上げれており、その一つ目としてグルテンの問題です。小麦粉に含まれるグルテンは消化されにくいタンパク質で分解されにくいため、腸の粘膜が炎症を起こして、腸内環境を悪化させることで、様々な不調に関連づけられています。WBCで大活躍した大谷選手が小麦粉を食べないようにしているのは有名ですが、小麦粉を敬遠する人が増えているのはこのような背景でもあります。
もうひとつの問題としては、急激な血糖の上昇です。小麦粉料理を早食いすると、一気に血糖値が上昇し、インスリンが大量に分泌され、すい臓に負担をかけることで、糖尿病の原因のひとつになります。また、血液中に糖質が増えることは、毛細血管の劣化、ゴースト化の要因となり、脳や臓器、皮膚、骨などの病気につながります。
しかしながら、パンや麺などファストフードに適した素材でもあり、タイパがいい(タイムパフォーマンスが高い)ので、「そうは言っても食べちゃいます」という人が多いのが本音でだと思いますし、長い年月をかけて築いてきた粉もん文化はそう簡単に朽ちるものではありません。
ではどうすればいいでしょうか?
ゆっくり食べることを第一にして、野菜から食べる、キノコ、海藻、豆類等の繊維を豊富にとる、全粒粉100%の小麦粉を使う。また、全粒粉バンズを使ったハンバーガーや、100%全粒粉で食物繊維が含まれている麺類を使っているお店で食事するのもひとつの対策です。
海外に8割以上を依存している日本は、ロシアとウクライナの戦争によって小麦粉の価格は昨年7月にピークを迎えて高値で推移しています。これを機に割安になった米粉を使うという家庭も増えており、同時に米粉を使ったレシピがネット等でも多く紹介されるようになりました。
関連するタキシフォリンのはたらき
タキシフォリンは、α-アミラーゼ阻害作用があり、その抗炎症作用と抗酸化作用とともに、食後高血糖を調節する可能性があることが報告されています。(Kanwal R, J Cell Biochem . 120(1):425-438, 2019)
タキシフォリンは3つの消化酵素の阻害効果があり、事前投与による食後高血糖を有意に改善することが報告されています。(Su H,Int J Biol Macromol. 5;150:31-37,2020 )
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