脳に良い食事とタキシフォリン

脳に良い食事とは何でしょうか?「認知症予防には〇〇が良い」という情報はいたるところで目にしますが、信頼性のある情報かどうかは別です。海外の研究によれば、認知症予防のためには、①バランスの良い食事、②適正なカロリー摂取、③塩分の制限、④間食や糖分の摂取量の抑制が重要です。具体的には、1日の摂取量を総エネルギー比で炭水化物が50~65%、タンパク質が15~20%、脂質が20~30%(飽和脂肪酸は7%以下)、オメガ3脂肪酸が2.5~3g、食物繊維が25~30gにすることが推奨されています。また、赤ワインを1杯程度摂取することも推奨されます。逆に、高カロリーの炭水化物中心の食事や低蛋白症、低脂肪食、肉の脂身、マーガリン、ショートニングは認知症のリスクを高める可能性があります。さらに、「日本人の食事摂取基準策定検討会」(厚生労働省)では、ビタミンE、ビタミンC、ベータカロチン、フラボノイド、葉酸、ビタミンA、B12、ビタミンD、亜鉛、銅、鉄が認知症予防に関連していることが示されています。しかし、「〇〇が何%」とか「バランスの良い食事」といった一般的な指針だけでは、実際の食事メニューを考えるのは難しいでしょう。

では、どうすれば良いのでしょうか。
「カロリーを抑えたい」「タンパク質はしっかり摂りたい」「不飽和脂肪酸、特にω3系の脂肪酸が多い」というニーズは、魚を主役にした食事で容易に満たすことができます。さらに、大豆由来の発酵食品である味噌は、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。そのため、低塩の野菜たっぷりの味噌汁は理想的な選択肢と言えます。他にも、卵焼き(タンパク質)、白和え(タンパク質、ビタミン、ミネラル)、根菜の煮物(食物繊維、ビタミン、ミネラル)を加えることで、認知症予防につながる食事になります。ただし、米の摂取量には注意が必要で、糖質過多にならないように玄米や五穀米、ひじきを混ぜて炊くことをおすすめします。
総括すると、主菜には魚を、たまには赤身の肉を焼いたり煮たりすること、副菜には豆類、卵、緑黄色野菜、根菜を取り入れ、ひじきご飯と味噌汁で食事をバランスよく構成しましょう。間食(おやつ)を取る際には、和菓子や果物、ジュースではなくカフェインレスのコーヒー、紅茶、お茶が良い選択肢です。アルコールに関しては、海外では赤ワインの摂取が推奨されますが、アルコールの分解能が低い日本人は控えたほうがいいでしょう。
サプリメントの使用は、不足している栄養素を補うだけでなく、認知症予防に効果があるとされるものを摂取することもおすすめです。

タキシフォリンは、MCI と軽度認知症を含む早期認知症の進⾏予防や記憶⼒の低下を防ぐ可能性が⽰唆されています。(Hattori Y,et al. J Alzheimer's Disease,93, 743-754,2023)
また、タキシフォリンはアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの凝集抑制の働きがあることが報告されています。(F Shinozaki, et al. Acta Neuropathol Commun, 4;5(1):26. 2017)