紫外線とタキシフォリン

梅雨の季節が近づいてくると、洗濯物のにおいや乾きにくさが気になりますね。でも、それだけではありません、梅雨になって気温が上がってくると、皮脂腺の働きが活発になります。そして、発汗により肌のpH値がアルカリ性に傾くことで、アクネ桿菌が繁殖しやすくなりニキビやふきでものに要注意です。でも、この時期に一番大敵なのは紫外線です。紫外線にはUVAとUVBがあり、このうちUVAが要注意ということはよく知られています。UVAは肌のより深い部分(真皮)まで到達しコラーゲンやエラスチンといった皮膚の主要な構成成分を破壊する(皮膚老化)、細胞内の活性酸素を増加させ、細胞のDNAや細胞膜を損傷する(光老化)、そして長い期間浴びることによる皮膚の免疫機能を低下させる(免疫抑制)の作用があります。これらにより、シミ、しわ、たるみといった肌の劣化だけでなく、長期的には皮膚がんのリスクを高めることになります。
また、UVAは大部分が窓ガラスを透過するため、曇りの日でも地上に到達します。つまり、室内や車内にいても、日常生活のなかで無意識のうちに多くの量を浴びてしまいます。
紫外線の強さは、暖かくなり始めたばかりの4月でも、残暑の厳しい9月とほぼ同じなのをご存じでしょうか。UVAの紫外線量は、最も暑い時期である7、8月よりも5月が年間で一番多いことは意外に知られていません。これは、平年の梅雨明けは7月中旬から下旬頃のため、晴天が多く雨の少ないうえに、日照時間が長い5月は紫外線量が必然的に多くなるので要注意です。

では、どうすれば良いのでしょうか。
まず、暖かくなる春先から紫外線対策をはじめることです。具体的には晴れた日だけではなく、曇りの日で帽子やストール、日傘、サングラス、UVカット効果のあるカーデガンを着たり、日焼け止めクリームを塗るなどです。
また、紫外線対策になる食物として、紫外線による酸化ストレスから肌を守る抗酸化ビタミンを豊富に含む、オレンジ、レモン、イチゴ、アボカド、ナッツ、種子類など、肌の健康に重要な役割を果たすβカロテンを豊富に含むにんじん、かぼちゃ、スイートポテト、ほうれん草、カボチャ、トマトなど、炎症を軽減するオメガ-3脂肪酸を含む青魚(サーモン、マグロ、サバ)、チアシード、亜麻仁、くるみなどがおすすめです。サプリメントで摂る際には、抗酸化や抗炎症の作用が期待できるポリフェノール類が良いでしょう。

タキシフォリンは、UV誘発皮膚発がんを抑制させることが報告されています。
(Naomi Oi,. et al, Cancer Prev Res . 2012 Sep;5(9):1103-14)
また、タキシフォリンは、細胞のメラニン形成を減衰させることが報告されています。
(Sang Mi An, et al., Phytother Res. 2008 Sep;22(9):1200-7)