糖質のつきあい方とタキシフォリン
秋本番となり食欲がますます旺盛な季節になりましたね。11月14日は世界糖尿病デーであることはご存じですか。糖尿病と食事は密接な関係があります。糖尿病は簡単に言うと、インスリンの作用が十分でないためブドウ糖が有効に使われずに、血糖値が高くなっている状態です。糖尿病の問題は血糖濃度が高いことで血管が傷つき、将来的に様々な合併症(心臓、目、腎臓など)を引き起こすことと、糖がエネルギーとして十分に利用されないことによる体重減少などがあります。
糖尿病予備軍といわれている「血糖値スパイク(食事によって多量の糖質を摂取した後に血糖値が急上昇する状態)」が続くと、治療や生活習慣の改善を行わない場合、およそ3年以内に1/3の方が糖尿病になるとも言われており、血糖値スパイク対策が糖尿病予防で重要とされています。
米やパンなどの穀物に多く含まれる炭水化物(糖質)を食べると、まず口の中で細かく嚙み砕かれながら唾液に含まれているアミラーゼ(消化酵素)で分解されます。次に食道・胃を通り、最終的に小腸でマルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ(二糖類分解酵素)によりブドウ糖(グルコース)に分解、吸収され、血液中に取り込まれます。その結果、血中のブドウ糖濃度(血糖値)が上がります。
では単純にブドウ糖のもとになる炭水化物を減らせばいいかというそうではありません。ブドウ糖は、体や脳のエネルギー源として重要な役割を果たす栄養素で、①体を動かすエネルギー源として利用される②体温を保つ③脳のエネルギー源として利用されるなど重要な役割を果たしています
では、どうすれば良いのでしょうか。
血糖値スパイクを避けるためには、小腸での糖質の吸収速度を緩やかにする食べ方を習慣化することが大切です。具体的には①時間をかけてよく噛むことで消化を助け、血糖値の急激な上昇を抑える②タンパク質・脂質・食物繊維を含むおかずと野菜を最初に食べる③麺類やおにぎりなどの炭水化物オンリーの食事をやめる、④炭水化物を玄米や全粒粉のパンなど置き換え、低GIに食品を選ぶ、などが効果的です。特に全粒穀物は、ビタミンB群、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、抗酸化物質、そして食物繊維が豊富に含まれているので血糖値の上昇を緩やかにし、糖尿病リスクが30%低下するという報告もあります。
また、⑤食後1~2時間後に散歩をするなど軽い運動を行なうと食後の血糖値や中性脂肪の値の上昇をゆるやかにするのでおすすめです。さらに、⑥糖質の分解をする酵素を阻害することで、炭水化物の消化や吸収を遅らせて食後の血糖値の上昇を抑える機能があることが報告されているサプリメントを食前に摂ることも重要な対策です。
タキシフォリンは、α-グルコシダーゼ,α-アミラーゼ、膵リパーゼの消化酵素に対する阻害活性により食後の高血糖の上昇を抑制することが報告されています。
(Hang Su,, et al;IInternational Journal of Biological Macromolecules ,2020,150(1))
また、タキシフォリンが、その抗炎症作用と抗酸化作用とともに、食後高血糖を調節する作用があることが報告されています。
(Kanwal Rehman,et al. J Cell Biochem. 2019 Jan;120(1))
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