歯周病対策とタキシフォリン

4月4日は歯周病予防デーなのをご存じですか?歯周病罹患率80%という日本の現状を改善しようと、全国の歯科衛生士が立ち上げた新たな歯周病予防法(歯肉のプラークコントロール)の普及活動を行う「Goodbye Perio プロジェクト」が制定した記念日です。
歯周病は、口の中の細菌感染が原因で起こる病気であり、日本の中高年の多くが発症している国民病の一つです。また、歯周病が重症化すると歯を支える骨が溶けてしまうため、日本において歯を失う一番の原因になっています。歯周病は単なる口腔内の病気にとどまらず、炎症物質が体内に取り込まれると、全身の血管において炎症を起こし、脳や心臓、血管、呼吸器、消化器などに関わる様々な疾病を引き起こすことがわかっています。最近の研究では、歯周病菌のひとつP.g菌がアルツハイマー病悪化の引き金になることが、国際的な学術誌で発表されました。
歯周病を患っていると、口内には多くの歯周病菌が存在します。唾液1cc中には約1億個の細菌が含まれ、相当数の歯周病菌が摂取されますが、食事をすると胃酸が大量に分泌されるため、ほとんどの細菌は死滅します。しかし、夕食後から翌朝までの間は胃酸の分泌が少なくなり、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、飲み込まれた歯周病菌が腸まで届く確率が高まり、歯茎や骨だけでなく、腸からも歯周病菌や関連物質が体内に侵入し、さまざまな病気を引き起こしたり、悪化させる原因となります。このように、歯周病菌は口腔内の問題だけでなく、全身の健康に関与する可能性が高いため、口腔内のケアがますます重要になります。

口腔のケアはどうすれば良いのでしょうか。
正しい歯磨き、デンタルフロスや歯間ブラシの使用、定期的な歯科検診、食生活および生活習慣の改善、が大切です。正しい歯磨きには、磨き方だけでなく自身の口腔の形状にあった歯ブラシや歯周病に殺菌・抗菌効果のあるデンタルペーストを選択することが重要です。
手先が不器用になる高齢期には電動歯ブラシを使用するのもおすすめです。電動歯ブラシは、歯周ポケット内のプラークを効果的に除去できるため、歯周病の原因となる歯垢をより効果的に取り除くことが可能です。」また、数多くの臨床試験が行われ、手磨きよりも歯垢除去効果が高いことや歯周病の発症リスクを下げる効果があることが報告されています。
そのほかにも歯周病の原因となる細菌の増殖を抑えたり、歯周組織の炎症を軽減したり、歯槽骨の骨形成を促進する働きがあるポリフェノールを摂取することもおすすめです。

タキシフォリンは、歯槽骨の骨形成を改善することが報告されています
(Aysan Lektemur Alpan , Arch Oral Biol . 2020 Sep:117.)
タキシフォリンは、歯髄幹細胞の保護効果があることが報告されています。
(Xiaohui Fu, ., Cell Transplant . 2021 Jan-Dec:30:9636897211034452. doi: 10.1177)
タキシフォリンは、虫歯の原因菌であるミュータンス菌に対して有意な阻害効果を持ち、再石灰化を促進する働きがあることが報告されています。(Ye Wang ,Arch Oral Biol. 2025 Jan )