熱中症とタキシフォリン

2025年の夏も過去最高の猛暑が予想され、クーラーを使っていても汗が止まらない日が続いています。こうした中で増えてくるのが熱中症による体調不良や救急搬送のニュースです。熱中症は「外で長時間過ごしたときに起こる」と思われがちですが、実は室内でも、夜間でも、高齢者だけでなく若い人にも起こる可能性がある、誰にとっても身近なリスクです。熱中症対策として水分補給やエアコンの使用がよく知られていますが、実は「血流の良し悪し」も大きく関わっていることをご存じでしょうか。
人間の体は暑さを感じると皮膚の血管を広げ、血液を表面に流して体内の熱を放出するしくみを持っています。ところが、血流が悪いと熱がうまく外に逃げず、体の深部にこもって体温が上がりやすくなり、熱中症のリスクが高まるのです。さらに血液は、熱だけでなく水分や塩分などのバランスも保っているため、脱水状態になると血液が濃くなって流れにくくなり、悪循環に陥ります。その結果、脳への血流が不足すると立ちくらみやめまい、筋肉への血流が減るとけいれんや足のつり（こむら返り）、さらに全身の血圧が下がることで倒れてしまうこともあります。

では、どうすれば良いのでしょうか。
一般的な対策（こまめな水分補給・塩分補給・エアコン使用など）は広く知られていますが、「意外と知られていない・見落とされがちな熱中症対策＋血流対策」も実は多くあります。
まず、「暑熱順化」を早めに始めることです。これは体を暑さに慣れさせて熱中症になりにくい体を作ることで、ウォーキング・湯船入浴・軽い運動で汗をかく習慣をつける、などが挙げられます。本格的な猛暑になる「前」に始めることが効果的ですが、今から始めても間に合います。
次に、エアコンの冷気を部屋全体に循環させ、体感温度を下げることです。冷気は低い場所にたまりやすいのでサーキュレーターを足元にあてるケースをよく見かけますが、実は天井に向けて上昇気流を作ると部屋が涼しくなるのです。
また、コーヒー・緑茶・アルコールなどの利尿作用のある飲み物は脱水を促す作用があるので、水や麦茶、経口補水液（OS-1など）をメインに飲むことがおすすめです。
さらに、トイレや浴室、キッチンといった非冷房エリアは熱がこもりやすいため、扇風機や換気の工夫、調理中の水分補給と休憩も欠かせません。
食事面では、ビタミンEやオメガ3脂肪酸、しょうが・にんにくなど、血流を良くする成分を含む食品や作用があるサプリメントを積極的に取り入れるのも有効です。猛暑の夏を元気に乗り切るには、暑さ対策だけでなく血流を意識した日常の小さな工夫が、大きな予防につながるのです。

タキシフォリンは、微小循環（毛細血管を通じて行われる血液の循環）が改善することが報告されています。（MB Plotnikov, Bull Exp Biol Med , 2017 May;163(1):57-60.）
タキシフォリンは、赤血球変形能の向上による血流改善作用があることが報告されています。
（Volkoy. Medicinal Preparations Based on Diquertin. 2005; pp. 183–185