冬の血流時計とタキシフォリン

一年の中でも冬は血管トラブルが起こりやすい季節です。その背景には、“血流時計”の乱れが関係しています。
私たちの体には「体内時計」があるように、血管や血流にも一日のリズム=「血流時計」があります。たとえば朝は交感神経が優位になって、血圧が自然と上がり、昼は活動に合わせて血管がしなやかに広がり、夜になると副交感神経が優位になって、血管がゆるみます。こうしたリズムが整うことで、心身のバランスは保たれています。
ところが、冬はこの血流時計が乱れやすい季節です。外気の冷たさにさらされると血管が急に縮み、布団から出た瞬間に血圧が跳ね上がりやすくなります。これが、冬の早朝に脳卒中や心筋梗塞が増える一因です。また、手足の毛細血管は寒さで閉じやすく、指先やつま先が冷たくなり、しもやけや末端冷え症につながります。
さらに12月は日照時間が短いため、体内時計自体が乱れやすく、それに伴って血流のリズムも不安定になります。日中に強い眠気を感じたり、逆に夜になっても血圧が下がらず寝つきが悪い、といった形で現れることもあります。血流が脳に十分に届かない状態が続くと、集中力や判断力が落ち、気分が沈みやすくなる――いわゆる「冬季うつ」の一因とも考えられています。肌の調子にも影響し、血流の不足は乾燥やくすみを進め、“冬の肌老化”を助長する可能性もあります。

では、どうすれば血流時計を整えられるのでしょうか。ポイントは「朝・昼・夜のリズムづくり」です。朝は起床時にいきなり布団から飛び出すのではなく、布団の中で手足をゆっくり動かし、軽いストレッチで血流をなじませてから起床し、カーテンを開けて太陽の光を浴び、体内時計をリセット。冬は朝日が弱いため、10分ほど外気を感じながら深呼吸するのも効果的です。昼は軽い運動やストレッチで血管をしなやかに保ちます。夜は38~40℃のぬるめのお風呂で15分程度体を温めることで、深い眠りにつなげることが血流リズムの安定につながります。また、冬は意外と水分補給を忘れがちですが、水分をしっかりとることも大切です。
そして食事や生活習慣の工夫に加えて、血管をサポートする成分を活用するのも一つの方法です。バランスのよい食事、適度な運動、十分な休養とともに取り入れることで、冬を健やかに乗り切る力になるでしょう。
一年の締めくくりとなる12月。忙しさや寒さに流されず、自分の“血流時計”に耳を傾けることが、来年を健やかに迎えるための第一歩になります。

タキシフォリンは、血管機能の改善と血管炎症反応を緩和することが報告されており(Liskova, S., et al, Int. J. Mol. Sci. 24(17), p.12944.)、血流改善効果を通じて心血管疾患の予防・治療の補助に役立つポリフェノールであることが報告されています。(Sim, Y.J., et al., 2025. Int. J. Mol. Sci., 26(16))