(vivo)虚血・再灌流誘発酸化障害に対する効果(2021. Dec)

【研究の背景】
虚血は、様々な理由で組織への血流が減少、あるいは完全に停止した状態ですが、再灌流の過程は、臓器や組織における虚血による障害を悪化させます。虚血再灌流障害の主な原因は活性酸素種(ROS)で、活性酸素の増加は、脂質過酸化(LPO)と酸化ストレスにつながります。タキシフォリンはROSの産生を抑制することが報告されています。
【研究の目的】
フラボノイドの一種であるタキシフォリンがラットの坐骨神経の虚血性再灌流障害に及ぼす影響を3群に分けた実験で明らかにする

【結果】
坐骨神経に薬剤を塗布しないIR群(IR群)、タキシフォリン塗布IR群(TAX+IR群)、坐骨神経切断のみの偽薬群(SHAM群)に分けて酸化ストレスマーカー(マロンジアルデヒド、総グルタチオン、グルタチオン還元酵素、グルタチオンペルオキシダーゼ)および炎症ストレスマーカー(腫瘍壊死因子α、インターロイキン-1β濃度)を生化学的検査で評価し、IR群はTAX+IR群に比べ、統計学的に有意に酸化ストレスおよびサイトカインレベルが高く、抗酸化物質レベルが低いことがわかりました。また、タキシフォリン投与により、病理組織学的に有意な改善が認められました。

【結論および可能性】
タキシフォリンは坐骨神経の虚血性再灌流障害の予防に有効である可能性が示唆されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34772492/